電子帳簿保存法はこう活用する!請求書電子化ガイド 第1回「請求書と領収書の電子化の違い」

昨年より頻繁に「請求書の電子化もやりたい」、「コンカー製品の請求書電子化対応はいつですか?」というお問い合わせを受けていいます。
そこで、請求書電子化と請求書管理クラウド「Concur Invoice」の電子帳簿保存法対応(2018年春頃)について、数回に分けてご説明します。

昨年の電子帳簿保存法はこう活用する!領収書電子化ガイドでは、電子帳簿保存法の法的な解釈について詳しく説明いたしました。
請求書の電子化においても、対応すべき法要件は全く変わりません。そのため今回の連載では、電子化において領収書と請求書で異なる点に焦点を当て、請求書電子化で想定される事務処理フロー、特にConcur Invoiceに関する情報を織り交ぜて、深く掘り下げていきます。

領収書と請求書の電子化における違い

請求書は領収書と共に、国税関係書類の中でも重要書類と位置付けられているため、求められる法要件は変わりません。
(法要件を確認したい方は、電子帳簿保存法はこう活用する!領収書電子化ガイドをご確認ください。)

まず、領収書と請求書の電子化において、一般的な事務処理方法などでの考えられる違いを整理します。

  領収書 請求書
①紙を受領する日 おおむね取引をしたその日のうちに受領 後日郵送されるケースが多い
②電子化の実施者 領収書を受領した本人が行うことを検討している企業が多い 請求書を処理する担当が集約して電子化することを検討しているケースが多い
③入力する項目 主に、日付、金額、利用用途(但書)、支払先 日付、金額(総額)、支払先以外にも、細かい請求明細(個々の金額など)を入力するケースが多い
④紙の原本の回収 部署単位で回収したり、受領者本人が保管し続けたりするケースがある 請求書を処理する担当者に集約されるケースが多い
⑤電子媒体での受領 電子領収書も最近では増えている PDFファイル等での請求書の発行も増えている

①紙を受領する日

一般的に領収書は、物や乗車券等を購入した際、タクシーに乗車した際、ホテルをチェックアウトした際など、その場で支払った本人が直接受領することがほとんどです。ですので、領収書に記載されている日付と受領日は、ほぼ同日になります。

しかし請求書の場合は、受領する方法やタイミングが色々あり、当然ながら支払い前に請求書を受け取ることになります。
多くの企業で見られる、受領する方法やタイミングのパターンを整理すると、以下となります。

  請求書の媒体 請求書の入手経路 請求書の受領日 原本の入手
パターン1 FAX 請求書発行日と同日もしくは後日 別途原本の郵送を求めるケースもある
パターン2 郵送 請求書発行日の後日 郵送されたものが原本
パターン3 電子ファイル メール経由 請求書発行日と同日もしくは後日 「⑤電子媒体での受領」にて説明
パターン4 電子ファイル システム経由 請求書発行日と同日もしくは後日 「⑤電子媒体での受領」にて説明

 紙で受領したパターン1,2の場合、電子化を行わなければならない期限は、請求書の受領日をもとに考えることになります。請求書に記載されている請求書発行日ではありませんので、ご注意ください。

電子帳簿保存法上記録しなければならない日付は、請求書発行日(請求書に記載されている請求年月日)になります。請求書受領日は、法的にはシステム上に保存しておく必要はありません。
しかし、タイムスタンプ付与の日付(電子化の期限)に問題が無いかを判定できるIT製品を使用する場合は、受領した日付も残しておく必要があります。

②電子化の実施者

領収書の場合、基本的には領収書を受領した本人が電子化を行うケースが多く見られます。
この場合、領収書を受領した翌日から3日以内に電子化を行うことが原則ですが、平成29年6月に、国税庁から出された新通達に沿った場合は、条件を満たせば、1か月+1週間以内に、受領者本人が電子化を行ってもよいとされました。

請求書の場合、請求書を処理する担当者が、各部門内や経理担当部門内にいるケースが多いと思います。つまり、誰が請求書を受領しても(例えば、営業部門の営業担当や、エグゼクティブなど)、請求書処理担当者に集められるということです。

この場合、電子化の実施者は、請求書処理担当者が行うことが想定されます。
むしろ、請求書処理担当者が電子化することを前提に考えた方が、電子化に関するステークホルダーが少なくなり、社内に展開しやすくなるかもしれません。

これに関係する電子帳簿保存法取扱通達としては、以下のものがあります。

(対面で授受が行われない場合における国税関係書類の受領をする者の取扱い)
4-22 規則第3条第5項の規定の適用に当たり、郵送等により送付された国税関係書類のうち、郵便受箱等に投函されることにより受領が行われるなど、対面で授受が行われない場合における国税関係書類の取扱いについては、読み取りを行う者のいずれを問わず、当該国税関係書類の受領をする者が当該国税関係書類をスキャナで読み取る場合に該当するものとして差し支えないものとする。(平成28年課総10-15により追加)

つまり、請求書が郵送された場合などは、その郵送物を受け取った者が、スキャナで読み取ってよい(=電子化してもよい)ということになります。

③入力する項目

領収書の場合、スキャン・撮影した画像とともに入力が必要な項目は、「領収年月日」「領収金額」「取引先名称」でした。これらの項目は、後日検索を行う際の要件としても必要であるため、必ず入力が必要になります。

請求書の場合は、「請求年月日」「請求金額」「取引先名称」となります。
これら入力する項目については、電子帳簿保存法取扱通達の「検索機能」に関する規定に記載されています。(電子帳簿保存法取扱通達解説(趣旨説明)p38)

しかし、請求書電子化の際には、「請求合計金額」だけではなく、購入した物品等の明細(例:品名、単価、数量、金額)も入力し、管理する場合もあります。
Concur Invoiceにおいては、総額などを記載する請求書の「ヘッダー」部分と、各購入物品等の詳細項目をそれぞれ入力することが可能です。

④紙の原本の回収

領収書は支払った者が受け取るケースがほとんどであり、紙の原本もその者が持っていることになるので、廃棄する前の定期検査までに回収する必要が出てきます。

しかし請求書の場合は、「②電子化の実施者」でも記載した通り、請求書処理担当者に、紙の原本が集約されることが想定されます。そうなると、領収書とは異なり、回収方法や回収範囲に関する検討を行う必要がないケースもあります。
つまり、従来通り、請求書処理担当者に渡すことで、回収に関しては解決します。

⑤電子媒体での受領

「①紙を受領する日」の表にも書きましたが、パターン3、4のように、請求書自体を電子媒体で受領する場合もあります。
例としては、
  例1:発行元でPDF化したものを、メール等で受領する(パターン3)
  例2:請求システム等を用い、システム上で請求を受ける(パターン4)
があります。

電子媒体で受領したもの(電子請求書)は、電子帳簿保存法第10条に従い、原則として電子媒体のままの状態での保存が求められます。

例1の場合は、別途紙の原本を受領しなければ、PDFファイルの状態での保存が求められます。また紙の請求書を電子化するわけではないため、「受領日翌日から3日以内」や「受領後1カ月+1週間以内(≒37日以内)」という電子化の日数制限もありません。
Concur Invoiceでは、受領したPDFファイルをそのままアップロードして処理することができます。
例2の場合は、お使いの請求システム上でそのまま管理していただくことも可能な場合もありますが、Concur Invoiceと連携している請求システムであれば、請求情報をConcur Invoiceにインポートし、他の請求書(紙の請求書電子化したものなど)と一緒に、管理することができます。

電子請求書に関しては、第4回にて、もう少し詳しく書きます。

次回は、請求書の電子化の一般的な事務処理フローについて、Concur Invoiceに関する情報も織り交ぜて説明します。

電子帳簿保存法はこう活用する!請求書電子化ガイド(リンク集)

第1回「請求書と領収書の電子化の違い
第2回「一般的な請求書電子化の事務処理フロー(前編)
第3回「一般的な請求書電子化の事務処理フロー(後編)
第4回「請求書を電子化するためのデバイス・電子請求書について
第5回「Concur Invoiceでの請求書電子化フロー」(coming soon)

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