2019年以降の出張・経費管理はどうなる?未来を動かす10のトレンド

SAP Concurは出張・立替経費・請求書管理分野にイノベーションを起こすため、25年にわたって業界動向と技術革新の最前線に立ち続けてきました。より先進的な技術、変化し続ける従業員の要望、そしてますますグローバル化する経済に支えられて、この分野における革新のペースは加速し続けると私たちは考えています。

2018年もいよいよ終わり。そこでSAP Concurが2019年以降に起こりうる出張・経費管理の10のトレンドを予測します。

1. 女性出張者が直面するリスクは、企業アジェンダのトップに

女性出張者は全体の40%以上を占めており、その数は増え続けています。専門家は男性に比べて女性出張者が出張中に特有のリスクに直面する可能性を指摘しています。それに対して企業はどのように対処すべきでしょうか?最近のGBTAの報告によると、企業の出張安全ポリシーの中で女性の安全上のニーズを具体的に取り上げているのは、18%に過ぎないことが分かりました。安全上の脅威は女性出張者の安心・満足度と生産性に影響を与えることは明らかであり、企業の出張ポリシー内でセクシャルハラスメント、暴行、盗難など女性が直面するリスクに確実に対処することを盛り込むなど、企業は重視する必要があります。海外で活躍する女性が増えている昨今、女性はより企業に対してリスクへの対処を求めるようになるでしょうし、そこがより良い人材を企業に繋ぎとめるための鍵となるでしょう。 Kim Albrecht, CMO, SAP Concur

2. データプライバシーはプロダクト設計を根本的に変える

2018年、GDPRはグローバル企業のユーザーデータの取り扱い方法を根本的に変えました。 製品エンジニアや開発者は、究極の保護と究極のパーソナライゼーションの両方を実現する方法を検討しなくてはいけません。データウォッシングやプライバシーダイヤルなどの概念により、ユーザーや企業は、異なるレベルの個人識別情報をフィルタリングすることによって収集される情報の種類を増減できます。データ収集と機械学習への可能性は広がるでしょう。– John Dietz, VP, Concur Labs

3. 国境や州をまたぐ際に発生する税が多国籍企業の新たなプレッシャーに

2019年には、税務上の収入源として出張者への注目が高まり、国境や州を越えてビジネスをする従業員のいる企業に新たな課題が生まれました。国や地方自治体は、国境を越えた人や物の移動に関する世界的な傾向に対応し、複雑な労働者ビザやクロスボーダー取引の税法を採用しています。他の国や州で暦年で一定の日数を過ごした従業員は、個人と会社の両方に大規模な負債を負わせる可能性があり、ビジネスの遂行を妨げる可能性があります。

たとえば、シンガポールでは、税務当局と入国管理当局が共同で、出張中に出張者が課税要件を引き起こした可能性があるかどうかを確認している場合があり、時には国境での一時留置につながります。さらに、ニューヨークやカリフォルニアなどの米国の州では、所得税の支払い義務が発生する基準を超えた出張者を特定するため、監査の実施が増えています。企業はまた、ビザの規則に違反したことで、時には数千万にも及ぶ巨大な財政的責任に直面する可能性があります。また、これらの罰則がニュースに浮上した場合、信頼失墜のリスクもあります。来年は、企業がこれらの複雑さを乗り越え、企業と従業員がコンプライアンスに準拠していることを徹底することが、これまでになく大きな課題となるでしょう。– Mike Eberhard, President, SAP Concur

4. 中堅・中小企業はThought Leaderやクラウドソーシングのデータインサイトにより競争優位に

予想の通り、2018年にはテクノロジーが中堅・中小企業のレベルを引き上げ、以前よりもパワフルに活躍することを可能にしました。2019年、中堅・中小企業は人工知能と機械学習により、さらに進歩を続けるでしょう。中堅・中小企業は、その規模と柔軟性を生かし、競争優位性を得るために大企業よりもこれらの革新的な技術を利用するでしょう。彼らはプロフェッショナルなネットワークを利用し、Thought Leaderや、かつては利用できなかったクラウドソースのデータインサイトから学ぶことで成長を続けます。中堅・中小企業もますます多様化し、女性、マイノリティやミレニアル世代の社長が増えてくるでしょう。– Christal Bemont, SVP and GM of Global SMB, SAP Concur

5. 出張手配はいまだ時間のかかる作業

ある調査によると、出張者のほぼ50%が、経費精算に勤務時間の30分~1時間を費やし、18%が1~2時間を費やしています。来年は、ボットや機械学習(ML)などのテクノロジによって、従業員の生産性が飛躍的に向上すると考えています。それは出張者だけではなく、プロセスに関わるすべての人(出張者、管理者、出張計画者、旅行代理店、出張管理者など)に対してです。例をいくつか挙げます。

 – Nancy Hang, Vice President, Consumer Travel Products, SAP Concur 

6. 出張が増えるに従い、企業の出張予約ツールにも大きな変化が

過去40年間で、出張とは数少ないGDSの1つに依存しているTMC(出張管理会社)の予約プログラム(すなわち、会社の旅行代理店)とほぼ同義となっています。しかし、観光目的の旅行者が増えるにしたがって、予約サイトやテクノロジーなど、様々な選択肢が急速に進化。ビジネスパーソンは企業の出張予約ツールがその流れに追随することをますます期待しています。来年、企業の出張予約ツールは、Lufthansa NDC コンテンツ、Airbnb、HRS ホテル予約ポータルサイトなどのサービスと連携し、ますます普及するでしょう。また、どこで出張手配したかに関係なく、出張管理者が全ての出張者の予定を把握し、コンプライアンスを管理して、出張者の安全を確保できるようなプラットフォームを持つ企業の出張予約ツールがますます求められるでしょう。 – Doug Anderson, SVP Travel Product 

7. 機械学習がメインストリームに

マッキンゼー・アンド・カンパニーの最近のレポートによると、完全に自動化できる職業はほとんど無いものの、全職業の60%が、少なくとも30%の自動化できる業務を持つと報告しています。ただし、処理能力の向上と機械学習(ML)ツールによってもたらされるメリットは、独自のデータ主導のインサイト、コンプライアンスの向上、ユーザーエクスペリエンスの向上など、自動化をはるかに超えたものになります。支出管理では、手書きの領収書からチップと合計金額を読み取る機械学習モデルが、光学的文字認識(OCR)などの従来のテクノロジに代わるものとなり、これまでにない規模とスピードで支出を分析および監査することができます。数百万ものデータのパターンや異常をほぼリアルタイムで識別できるため、企業はビジネスプロセスの改善、コストの削減、または不正の防止に必要な洞察と俊敏性を得ることができます。– Tim MacDonald, CPO, SAP Concur

8. ホテルコンテンツにおける競争が激化

航空の新流通企画である「NDC」のコンテンツ(サービスラインナップ)は引き続き注目を集めるものの、ホテルのコンテンツも今後さらに注目され、競争が激化するでしょう。社員が会社指定ではない手段(サイトや旅行会社)で出張予約を行う傾向は、今も昔も変わりません。そのため出張管理者、企業の出張予約ツール、出張管理会社(TMC)は、出張者に会社指定の手段で出張手配してもらうため、魅力的なホテルやサービスラインナップを統合して提供しようと、長年苦労してきました。 2019年には、TMCの努力が期待され、さらに勢いを増してくる可能性があります。例えば、CWTのRoomItやBCDのTripSourceなどが、HRSやBooking.comのようなサードパーティのホテルコンテンツ集約サイトと競争するようなことも起こりうるでしょう。 TMCの努力が透明性が高く偏りのない限り、全ての関係者・ステークホルダー(ホテルのサプライヤーを除く)がWin-Winの関係を築くことができます。企業の出張管理者は社員が勝手に他の手段で予約することを抑えることができ、TMCはサプライヤの収益改善から恩恵を受け、企業の出張予約ツールはより多くの予約を生み出します。しかしながら、ホテルのサプライヤは、流通コストが増加する可能性があるでしょう。 – Mike Koetting, EVP of Supplier and TMC Services, SAP Concur

9. 国や地方自治体のCIOとCFOの連携でIT化を推進、市民にも大きな恩恵

昨今のテクノロジーの進化や外部環境の変化により、ITシステムを刷新して効率化やコスト削減を推進する企業が増えてきました。それは国や地方自治体も同じで、GovTech Navigatorの年次報告書では、米国の州および地方自治体間でのIT支出が着実に増加し、2018年には1,030億ドルに達したことが示されています。しかしながら、いまだに多くの州や地方自治体は重要なプロセスをマニュアルで行っており、それらは時代遅れで、費用がかかり、間違いが起こりやすい、安全性が低いことは言うまでもありません。これらのレガシーシステムに関連するリスクは無視するにはあまりに大きすぎます。納税者のお金とデータが危険にさらされている状況下で、州、市、郡のCIOは、来年のIT予算を最大化するために、CFOの相手方と緊密に連携する必要があります。クラウドの導入からAIおよび機械学習ソリューションの展開まで、テクノロジーを利用した業務自動化を支援するための大規模な投資が重要になります。CIOとCFO間のコラボレーションにより、国と地方自治体はIT予算とIT優先順位のバランスを取ることで、市民により大きな成果をもたらすことができます。– David Ballard, Sr. VP Public Sector, SAP Concur

10.  教育機関は、保存ツールとしてのテクノロジを見逃すことはできません。

入学者数の伸びが鈍化するにつれて、大学は財政難に直面しています。また、大学のキャンパスも地方に進出してきています。教育サービスの提供に限られたリソースを最大限活用できるよう教育機関が取り組むにつれて、テクノロジーが大学の競争力を左右する可能性があります。より進歩的なテクノロジーを導入することは、コスト削減のために学内や財務管理を合理化するだけでなく、緊急時に学生やスタッフの安全を確保するといった、新たな優先課題も解決します。キャンパスの価値観を明確に示すテクノロジーへの積極的な投資は、次の入学希望者を引き付けるのに役立つでしょう。– David Ballard, Sr. VP Public Sector, SAP Concur

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