出張・経費管理トレンド

出張手当(日当)とは?仕訳のための勘定科目や導入メリットデメリットを解説

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出張手当(日当)の勘定科目が何に該当するのか、迷うことはないでしょうか。
日当は給与とは異なる取り扱いとなるため、勘定科目の選択や仕訳方法、税務上の扱いに悩むケースも少なくありません。

本記事では、出張手当(日当)の基本的な考え方から、旅費交通費・福利厚生費などの勘定科目の使い分け、具体的な仕訳例、非課税となる条件、さらに制度導入のメリット・デメリットまで、実務に役立つポイントを解説します。
 

出張手当(日当)とは?

出張手当とは、従業員が業務のために勤務地を離れる際に支給される手当です。宿泊費や交通費とは別に、出張中に発生する雑費(食事代や通信費、移動にかかる小規模な支出など)を補う目的で支給されます。企業があらかじめ定めた「出張旅費規程」に基づいて支給されるのが一般的で、税務上非課税となる『日当』の形式で支給されることが多いです。実費精算ではなく、あらかじめ定額で支払われる点が特徴です。

会計処理上の勘定科目としては「旅費交通費」または「福利厚生費」に分類され、企業の経理方針や支給対象によって使い分けられます。一般的には「旅費交通費」が使われますが、企業により「福利厚生費」が用いられることもあります。

※出張手当をはじめとした出張管理のトレンド情報について詳しくは、「出張・経費管理ガイド 2025年版:業界のエキスパートによる 4 つのトレンドと予測」をご覧ください。


出張手当(日当)の税金に関するルール

出張手当と混同しやすいものに「出張経費」があります。ここでは、両者の特徴を整理し具体例と仕訳例を交えてわかりやすく解説します。

それぞれ確認してみましょう。

張手当(日当)は雑費補助

出張手当(日当)は、通常、1日あたりの定額を出張日数に基づいて支給します。これは食事や通信費、移動にかかる小規模な雑費を補うためのもので、事前に決められた金額が支払われます。

出張経費は実費精算

一方出張経費は、主に交通費や宿泊費などが該当し実費精算で処理されます。実費精算とは、実際にかかった費用の領収書などを会社に提出し、その費用を後日支給する方法です。場合によっては、日当や食費を含むこともあります。

多くの企業では、出張手当と出張経費の両方を支給していますが、出張手当の範囲や支給方法は各企業の方針により異なるため、どの費用が手当でカバーされるかには差があります。

出張経費とは?出張費とは?出張経費の精算、相場、節約のポイントなど
 

出張手当(日当)の勘定科目の基本

出張手当(日当)を適切に処理するためには、使用する勘定科目の考え方を理解しておくことが重要です。
一般的には、支出の内容や目的に応じて、以下の勘定科目が使われます。
 

  • 旅費交通費
  • 福利厚生費
  • その他の関連勘定科目(宿泊費・交通費・会食費)

    ここでは、出張手当に関連する主な勘定科目とその使い分けの基本を解説します。

費交通費

出張時の移動にかかる費用は、電車・バス・飛行機などの交通手段に応じて支出され、これらの費用は宿泊費や日当とあわせて「旅費交通費」として処理されるのが一般的です。
出張に関しては「出張手当」や「旅費交通費」といった言葉を耳にすることが多いですが、出張手当は従業員に支給する手当の名称であり、旅費交通費はそれらの費用を処理する際に用いられる勘定科目です。

福利厚生費

出張手当は、従業員全体に対して一定の基準に基づき支給される場合、給与ではなく福利厚生費として処理されることが一般的です。

その他の関連勘定科目(宿泊費・交通費・会食費)

出張では、交通費や出張手当のほかにも、宿泊費や取引先との会食費など、さまざまな費用が発生します。
これらの費用は内容や目的によって使用する勘定科目が異なるため、それぞれの性質に応じて適切に区分して処理する必要があります。

出張手当(日当)の税金に関するルール

出張手当(日当)は、その支給形態や出張先の区分(国内・海外)によって、税務上の取り扱いが異なります。
特に、非課税で処理できるかどうかは、国税庁の定める一定の基準に従う必要があります。一般的には、以下のように区分されます。
 

  • 国内の出張手当(日当)は基本的に非課税
  • 海外の出張手当(日当)は原則課税仕入れ対象外
     

ここでは、国内出張と海外出張の場合に分けて、税務上の取り扱いについて解説します。

国内の出張手当(日当)は基本的に非課税

国内出張に対して支給される出張手当(日当)は、金額が一定の範囲内であれば、所得税法上「非課税」として扱うことが可能です。
「一定の範囲内」を判断する基準については、国税庁の定めによると、次のようになります。

(1) その支給額が、その支給をする使用者等の役員及び使用人の全てを通じて適正なバランスが保たれている基準によって計算されたものであるかどうか。
(2) その支給額が、その支給をする使用者等と同業種、同規模の他の使用者等が一般的に支給している金額に照らして相当と認められるものであるかどうか。
引用元|国税庁〔旅費(第4号関係)〕(非課税とされる旅費の範囲)
 

特に上限が定められているわけではありませんが、上記のように、社内で一貫性があり、かつ社会通念上妥当とされる金額であれば、日当は非課税での支給が可能です。

海外の出張手当(日当)は原則課税仕入れ対象外

国内の出張手当(日当)については、一定の範囲内であれば、所得ではなく課税仕入れとして処理することが可能です。

しかし出張先が海外の場合、原則として消費税の課税仕入れ対象外となります。国税庁「No.6459 出張旅費、宿泊費、日当、通勤手当などの取扱い」には以下のように記載されています。

 

国内の出張または転勤のために、役員または使用人に対して支給した出張旅費、宿泊費、日当については、支給した金額のうちその旅行について通常必要であると認められる部分の金額は、課税仕入れになります。
ただし、海外への出張または転勤のために支給した出張旅費、宿泊費、日当は原則として課税仕入れになりません。

引用|国税庁 No.6459 出張旅費、宿泊費、日当、通勤手当などの取扱い

出張手当(日当)の導入方法

出張手当(日当)を導入するには、手当を支給する際の根拠となる「出張旅費規程」の整備が必要です。
出張旅費規程とは、出張時に支給される費用の種類や支給基準、支払方法などを定めた社内ルールのことで、支給額が妥当であるか、また非課税扱いの可否を判断する際の基準にもなります。

出張旅費規程を作成する際には、以下の内容を明文化するのが一般的です。

  • 支給対象となる出張の定義(例:出張の距離や日数の基準)
  • 支給対象者(役職や雇用形態に応じた区分)
  • 支給金額の基準(国内・海外、役職別など)
  • 精算方法や申請手順

規程が完成したら、社内への周知を行います。出張手当の支給方法や申請・承認フローを明確にし、従業員へ説明します。
その後、運用開始日を定めて経理部門や人事部門と連携しながら実際の申請・支給業務をスタートさせます。

制度導入後は、実際の運用実績をもとに内容の見直しやアップデートを行うことも必要になるでしょう。

出張手当(日当)の相場を役職別・国内/海外別に解説

出張手当(日当)の目安について、財務省の「民間企業における出張旅費規程等に関するアンケート 報告書」を参考にまとめました。役職別、国内/海外別の出張手当の目安は以下の通りです。
 

 
国内出張 海外出張
一般 1,800円 2,500円
管理職 2,600円 2,800円
役員 3,800円 3,300円

 

役職による区分が設定されていない企業がある、また役職以外による区分がある、さらに区分の数も企業ごとに異なるため、あくまでの目安としてお考えください。

また産労総合研究所の「2025年度 国内・海外出張旅費に関する調査結果」によると、宿泊料に関しては、全地域一律で定額支給する企業では一般社員の平均が8,878円となっています。
一方、実費支給を採用する企業では、一般社員の宿泊料上限額は全国一律で10,490円、地域区分を設けている場合は最高地で12,889円と紹介されています。

出張手当(日当)支給のメリット

出張手当を支給することは、企業にとって税務面・労務管理の両面でいくつかの利点があります。主なメリットとしては、以下の3点が挙げられます。

・税金の負担軽減
・社会保険料の負担軽減
・経費精算にかかる出張管理業務の効率化

これらは企業側のコスト削減だけでなく、従業員のモチベーション向上にもつながります。以下、それぞれの内容について詳しく説明します。

税金の負担軽減

出張手当は、一定の要件を満たしていれば給与として扱われず、所得に含まれない取り扱いとなります。このため、同額を給与として支払う場合に比べ、会社にとっては源泉所得税の負担が軽減される効果があります。手当を取り入れることで、企業全体としての人件費に含まれる税金の圧縮が可能となり、節税効果が期待できます。

社会保険料の負担軽減

出張手当は、給与として取り扱わないため社会保険料の算定対象に含まれません。社会保険料(健康保険・厚生年金など)は従業員と企業が折半で負担するため、課税対象の給与が増えればその分、企業の負担額も増加します。非課税かつ社会保険料の対象外である出張手当を導入することで、企業側の社会保険料負担も軽減されます。

経費精算にかかる出張管理業務の効率化

出張手当の支給額があらかじめ定額で決められていれば、領収書を一つひとつ確認する必要がなくなり、経費精算にかかる手間が大幅に減ります。特に出張回数の多い部署や営業職などにとっては、出張ごとに交通費・食事代・雑費などを分けて精算する負担が軽減され、管理部門の業務効率も向上します。また、支給ルールについては、出張旅費規程に明記しておく必要があります。

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出張手当(日当)支給のデメリット

出張手当の支給には、次のようなデメリットも存在します。

・会社側の支出増加
・出張旅費規程の整備による負担
・適切な支給作業の発生

上記3点について詳しく見ていきます。

会社側の支出増加

出張手当を導入すると、実費精算に加えて定額の手当が発生し、出張1件あたりの支出総額が増えることになります。特に、長期間の出張や出張頻度の多い職種の場合、手当の累積額は無視できない負担となります。しかし従業員の金銭的負担の軽減やモチベーションアップにもつながるため、バランスを検討することが大切といえるでしょう。

出張旅費規程の整備にともなう実務負担増加

出張手当を支給するためには、あらかじめ社内で出張旅費規程を整備しておく必要があります。手当の金額、支給対象、適用条件などを明文化し、社内で統一されたルールに基づく運用が求められます。
就業規則との整合性確認や従業員への周知、運用開始後の見直しといった事務作業も発生するため、特に初期導入時の負担は軽視できないでしょう。

適切な出張手当(日当)支給の作業発生

出張手当は、税務上の非課税扱いを受けるためには一定の要件を満たす必要があり、規定を逸脱した支給は課税対象とみなされるおそれがあります。そのため、支給実態が規定に沿うように管理することが求められます。

不適切な支給が続くと税務調査において指摘を受け、追徴課税の対象となるリスクもあります。支給対象や日数、金額などを厳密に管理する体制を整え、定期的に精査する必要があります。

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出張手当(日当)を適切に管理することで業務効率を実現

出張手当(日当)は、従業員の金銭的負担を軽減し、モチベーション向上につながる制度です。会社にとっても経費精算業務の効率化といったメリットがある一方で、制度設計や運用にあたっては一定の実務負担やリスクも伴います。

導入にあたっては、社内規程の整備と適正な運用体制を構築することが重要です。適切に設計・管理することで、従業員の満足度を高めつつ、企業としての業務効率やコスト管理の最適化を実現できるでしょう。

出張管理の効率化を実現したい方へ

こうした課題を解決する手段として、出張管理や交通費・経費精算の一元化を実現できるシステムの活用が挙げられます。
Concur Travel Concur Travel & Expense では、規程に沿った支出管理を自動化し、手当支給や領収書管理を効率化することで、出張業務にかかる負担を大幅に軽減できます。
経費精算の負担を軽減したい方は、ぜひ一度お問い合わせください。

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