株主総会の費用はどう会計処理する?会場費や手土産代、交際費になるのはどれ?- 経費に関する意外と知らないFAQ

経費精算に関してよく聞かれる質問とその回答をまとめたブログシリーズ、今回は株主総会を開催する際にかかる費用の会計処理がテーマです。

6月は株主総会のシーズンと言われています。会社は決算日から3ヶ月以内に定時株主総会を開催する必要があると定められています。日本の会社の多くは3月末を決算日としているため、3月末から3ヶ月以内のギリギリとなる6月下旬に株主総会を開催する場合が多くなります。株主総会では、会場費用からお弁当代やお茶代、また、株主総会後の懇親会の費用や手土産代など色々な費用がかかりますが、どの勘定科目で会計処理すればいいのでしょうか。以下で詳しくみていきましょう。

 

質問:

株主総会の費用には、会場費用からお弁当代やお茶代、株主総会後の懇親会の費用や手土産代など色々なものがあります。これらは、どの勘定科目で会計処理すればいいのでしょうか?

 

回答:

株主総会の会場費用、お弁当代やお茶代などは、原則的に会議費として会計処理します。一方で株主総会後の懇親会の費用は、一人5,000円を超える場合は交際費として会計処理します。同様に手土産代も原則として交際費になりますが、手土産の代わりに自社製品などを渡す場合は広告宣伝費として処理することが可能となります。

 

解説:

株主総会の会場費用・お弁当代やお茶代は、会議費として会計処理

会議費とは社内で行われた会議や取引先との打ち合わせで発生した費用のことで、会議で使用する会場の使用料や会議の書類作成費用、会議の際に出したお弁当や飲み物、お菓子などの費用が含まれます。 株主総会は会社において、一番規模が大きく一番重要な会議と言えるでしょう。よって、株主総会の会場の使用料、会議の際に出したお弁当や飲み物、お菓子などは、会議費として会計処理します。

 

懇親会の費用は、交際費として会計処理する(一人5,000円以下の場合を除く)

年に一度、株主への感謝の気持ちも込めて、株主総会後に懇親会を開催される会社もあるでしょう。懇親会は株主への接待や慰安の意味が大きいため、この費用は、原則交際費となります。

とはいっても、例外があります。一人当たりの金額が5,000円以下の場合には、税務上の「交際費等」の範囲から除かれるという点に注意が必要です。「交際費等」は税法上の言葉で、「得意先や仕入先その他事業に関係のある者に対する接待、供応、慰安、贈答などの行為のために支出する費用」をいいます。株主は得意先とは異なりますが、「事業に関係のある者」に該当します。

交際費等の範囲は法人税法において決まっています。一定の条件を満たす飲食費のうち、一人当たりの飲食費の金額が 5,000円以下の場合であれば「交際費等」の範囲から除かれると規定されており、その場合は交際費等以外の経費として、損金となるかどうかが検討されることになります。

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手土産代の費用は交際費として処理するが、広告宣伝費になる場合もある

株主に対して、手土産を渡す会社もあると思います。手土産は贈答品であり、やはり交際費に該当するため、原則交際費として処理します。ただし、菓子折りなどの手土産の代わりに、自社製品のサンプル(見本品・試供品)を渡す場合は、少額のものであれば広告宣伝費として処理することが可能になります。

「得意先などに対して見本品や試用品を提供するために通常要する費用」は、交際費等には含まれず、広告宣伝費に該当するとされています。「得意先など」には株主も含まれ、「通常要する費用」つまり少額であれば、自社製品のサンプルなどを株主に対して贈る場合、その費用は広告宣伝費になります。

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まとめ:

一口に株主総会の費用といっても、その内容はさまざまです。交際費になるものもあれば、会議費になるものもあり、広告宣伝費になる場合もあります。株主総会を開催する際は、それぞれの経費の会計処理の違いに注意して処理しましょう。

 

<著者プロフィール>

細田 聖子(ほそだ せいこ) 公認会計士・税理士
2012年、公認会計士登録。2016年、税理士登録。1999年から香港留学。2003年から2008年まで、上海でOL、日本語教師等の中国勤務。2010年、公認会計士試験論文式試験合格。2012年より、中国深センの会計事務所等を経て上海勤務となるも、2015年、乳がん告知により帰国。日本で治療をしながら大阪の税理士法人に所属。2018年5月に独立し、フリーランスのライターとして執筆活動など様々な業務に従事。

  

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