わたしたちについて
全社300名超が参加!AI文化を育む「xAI(カケアイ)」プロジェクトの舞台裏とは?テクニカルサポート本部長・遠藤が語る実践と挑戦
生成AIを活用した業務変革を全社で推進する「xAI(カケアイ)」プロジェクトが始動。
勉強会や合宿を通じて、部門を越えた学びと実践の文化を育み、AIを“使える力”として根付かせています。今回のインタビューでは、使用されたディスカッションフレームワークについても触れました。このフレームワークは、チームの意見を効果的にまとめ、ユースケースの創発をスムーズに進めるためのツールです。
全社タスクフォース「xAI(カケアイ)」でAI活用文化を推進
自己紹介とxAIの紹介をお願いします
サービス統括本部テクニカルサポート本部 本部長の遠藤 智範です。
xAI(カケアイ)は、社内で推進しているAI活用の取り組みであり、特に業務プロセスの効率化と社員のAIリテラシー向上を目的としたイネーブルメント活動を中心に展開しています。
私たちxAIメンバーは、勉強会や分科会、社外連携を通じて実践知を共有し、AIを“使える文化”として根付かせることを目指しています。
xAI立ち上げの背景と目的を教えてください
2024年、社内の複数の部門で生成AI活用の試みが始まりました。各自の純粋な技術的興味もありましたが、お客様への新たな価値提供や、業務効率化を生めないか?といった問いを起点に、有志メンバーでディスカッションを重ねるようになったんです。その流れの中で、サービス統括本部の仲間と一緒に、AIについて学び合うタスクフォースの前身ができました。社長や役員にも提案したところ、ありがたいことに賛同をもらい、まずはサービス統括本部を対象にPOC的にスタートすることになりました。
目的としては、まずはAIを「知る」「使ってみる」ことを大切にしました。Teams上にAI Hubを作って、事例や学びを共有したり、合宿で全従業員からユースケースのアイデアを集めたり。
そうした活動を通じて、AIを活用するということに対するメンバーの意識や意欲が確実に変わっていくのを感じました。2025年からは「xAI(カケアイ)」というプロジェクト名での全社展開も始まり、これからが本番だなと感じています。
部門ごとの温度差に挑んだ全社巻き込み戦略
立ち上げ初期に苦労したことや印象的だった出来事はありますか?
立ち上げ初期は、やっぱり各部署や個人ごとにAI活用に対する温度差があって、そこが一番の苦労でしたね。AIに興味はあっても、日々の業務に取り入れるとなると「本当に必要なの?」や「今のやり方で十分じゃない?」という声もありました。特に、業務の忙しさや内容によって関心度が変わるので、全員を同じ方向に向けるのは簡単ではありませんでした。
2024年は、まず「AIってこういうものだよ」と知ってもらうことを重視して、どのようにAIを実業務で活用していくかという関与度の部分は各部署のマネージャーに任せていたのですが、結果としてそこが課題として残りました。2025年は、もっと一人ひとりが「AIの活用は自分ごと」という意識で自分の業務に取り入れていけるような、関与度を高める取り組みに力を入れていきたいと思っています。
印象的だったのは、2024年の夏に行った全社ミーティングですね。タスクフォースとして初めて大きな場で発表する機会をもらって、AI活用に関する社内の関心度をリアルに感じることができました。メンバーも「自分たちがやっていることがちゃんと届いているんだ」と実感できて、すごく達成感がありました。あの瞬間に、チームとしても一歩前に進めた気がします。
AI活用検討の合宿で使用される 『ディスカッションフレームワーク』とは?
AI活用検討合宿で使用される「ディスカッションフレームワーク」は、生成AIの業務活用アイデアを効率的に引き出すためのテンプレートです。参加者は、オンラインのツール上で用意されたステップに沿って、課題の整理、アイデア出し、活用シナリオの具体化を行います。
特徴は、事前準備がほぼ不要で、誰でも直感的に使える構成です。
たとえば、ラウンドロビン形式で他者の意見に肉付けしながら議論を深める仕組みや、アイデア出しのヒントも用意されています。
また、Copilot等の既存の活用事例を参考にしながら、自部署の業務に合った活用方法を検討できます。
このフレームワークは特定の部門に限定されず、各部署が目的や業務内容に応じてカスタマイズして活用しています。たとえば、営業部門では顧客対応の効率化、サポート部門ではナレッジアクセスの効率化など、部門ごとの課題に即した議論が可能です。合宿形式のワークショップやチーム単位の検討会など、さまざまな場面で柔軟に使える構成となっています。
ディスカッションフレームワークは、会議やディスカッションの際に役立つツールです。以下のリンクからダウンロードして、ぜひご活用ください。
ディスカッションフレームワークのDLはこちら
(オリジナルディスカッションフレームワークを活用したAI活用検討合宿)
共通言語=AIで、部門を超えた高めあう文化
xAIとして大切にしている価値観やスタンスは何ですか?
AIに関わるプロジェクトに参加して感じたのは、「AI」は特定の部門だけのものではなく、全社に関わるテーマだということです。だからこそ、部門を越えて自然とコラボレーションが生まれやすく、普段関わらないメンバーとも一緒に学び合える貴重な場になっています。
その中で僕が大切にしているのは、「心理的安全性」と「高め合うマインド」です。
部門をまたぐと、どうしても遠慮が出てきたり、発言のハードルが上がったりしますよね。でも、AIという共通のテーマがあることで、「一緒に探求していこう」という空気が自然と生まれ、安心して意見を出し合える雰囲気ができてきたと感じています。
また、AIのように正解が一つではないテーマだからこそ、常に「もっと良くできるかも」と探求する姿勢が大事だと思っています。
僕自身も、プロジェクトに関わる中で多くの学びを得ていますし、他のメンバーの視点から刺激を受けることも多いです。
AIを通じて、ただ技術を導入するだけでなく、「人と人がつながり、学び合い、高め合う」文化が育っていく。そんな場づくりに少しでも貢献できたら嬉しいですね。
全部署実施のAI活用検討合宿ではじめる業務変革
これまでの活動の中で、特に印象に残っているプロジェクトや成果は?
これまでの活動の中で特に印象に残っているのは、サービス統括本部で実施した合宿ですね。
AI活用をテーマに、ディスカッションフレームワークを使ったワークショップの準備から、実証実験の設計・運営まで、メンバー全員で時間をかけて取り組みました。単なるアイデア出しにとどまらず、実際に「Case対応のコーチングをしてくれるAI」を業務に取り入れるなど、合宿で生まれたアイデアが形になったのは大きな成果でした。また、合宿を通じて、メンバー一人ひとりがAIを“自分ごと”として捉えるようになったのも印象的でした。
アンケート結果でも、AIに対する知識レベルや業務活用度が明らかに向上しており、今ではチーム単位でAIを活用する動きが定着しつつあります。
(生成AI利活用状況のアンケート結果)
現在は、2025年のxAIの取り組みとして、プリセールス、ポストセールス、共通領域の全業務を洗い出し、AIが介入できる余地を検討しています。単にAIを導入するのではなく、「業務をどう変革するか」という視点を大切にしながら、ツールや仕組みの見直しも進めています。こうした一連の流れが、チームの成長にもつながっていると感じています。
学びで未来を切り拓く
最後に、このインタビューを読んでくださっている皆さんに一言お願いします
最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。
途中で紹介したディスカッションフレームワークは、それを活用することで、チームの意見を効果的にまとめ、意思決定をスムーズに進めることができます。ぜひダウンロードして、実際に試してみてください。
そして、私たちは今後、社内外に向けて「学び続けることの価値」を改めて発信していきたいと考えています。
社内に対しては、変化の激しい時代において、学びは未来への最大の投資であるというメッセージを伝えていきます。日々の業務の中で得られる気づきや疑問を大切にし、それを学びにつなげていく姿勢を、組織全体で育んでいけたらと願っています。
また社外に向けては、共に学び、実践し、検証していける仲間とのつながりを大切にしたいと考えています。
正解が見えにくい時代だからこそ、対話を通じて新たな視点を得ることが、次の一歩につながると信じています。
また、今回のブログではご紹介しきれなかった取り組みも多数ございます。(実は、この記事もAIの力を借りながら執筆しております。)
もしご関心をお持ちいただけましたら、ぜひコンカーまでお気軽にお問い合わせください。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
