出張・経費管理トレンド

生産性の向上を目指す際に焦点を当てるべきは、従業員ではなくシステム

SAP Concur Japan |

生産性の低い従業員は、想像以上に会社に手痛い損失をもたらしている可能性があります。McKinsey によると、調査対象となった従業員の半数以上が、自分は仕事での生産性が比較的低い方だと回答しており、こうした生産性の低下によって企業は年間 2 億 2,800 万ドルから 3 億 5,500 万ドルもの損失を被っている可能性すらあるとのことです。

では、従業員の生産性を上げるために、ビジネスリーダーにできることは何でしょうか?効率的なシステムを構築し、適切なツールを導入することで、個人レベルではなく、組織レベルで、生産性を有意に向上させることができます。個々の従業員の生産性を向上させるのではなく、誰もが自然とより多くの成果を上げられる職場環境を整えることが重要なのです。

従業員と会社を成功に導くための方法をいくつかご紹介します。

デジタイゼーション

デジタイゼーションとは、デジタル化されていない情報をデジタル化するプロセスを指し、業務をよりシンプルかつ効率的なものにすることができます。出張後に経費精算レポートを提出するプロセスを思い浮かべてください。従業員は出張中、さまざまな形式の領収書を手にします。航空券の領収書やホテルの最終請求書はメールで届くこともありますが、従業員はレストランやタクシーなどの紙の領収書を持ち歩いているはずです。これらの領収書をデジタル化することで、紛失のリスクを減らし、経費精算レポートのプロセスを迅速化して、払い戻しまでの時間を短縮できます。

ExpenseIt を使用すれば、簡単に領収書の写真を撮影して Concur Expense に直接送信することができます。この機能は、生成 AI や機械学習などの最新テクノロジーを使って、重要なデータを特定し、経費を自動的に分類・明細化して、確認・提出用レポートにまとめます。また、さまざまな言語の領収書を認識・処理できるため、海外出張者にもデジタル化による生産性向上のメリットがあります。

自動化

自動化はもはやハードウェアソリューションに限った話ではありません。現在では、特に生成 AI や大規模言語モデルを用いて、ソフトウェアが組織のプロセスを自動化し、生産性を向上させています。支出管理業務の中でも面倒な 2 つの業務、購買承認と経費監査は自動化に適しており、これらの業務の自動化によって、業務を迅速化し、従業員の負担を軽減し、将来の予測に役立つ貴重なインサイトを生成することができます。

Concur Request は、自動化によって申請・承認を容易にし、予算管理と社内規定への準拠を強化します。また、従業員と承認責任者のために承認プロセスを確立し、迅速かつ簡単に意思決定を下すために必要な情報を収集します。さらに、Request Assistant 機能を通じて、従業員が出張費用の見積りを算出できるようサポートします。

ほかにも、SAP Concur には、自動化によって業務を合理化し、生産性を向上させる Verify というソリューションがあります。従来は会社の財務部門が経費精算レポートをすべて手作業で監査する必要がありましたが、Verify では、インテリジェントテクノロジーを用いて、提出された経費が社内規定に準拠しているかどうかを確認できるため、監査員は最もリスクの高い取引に集中することができます。また、Verify は、手動プロセスでは見逃されるかもしれない支出パターンを見つけ出すこともできるため、不正防止策の強化につながります。

統合

企業はテクノロジーを導入して、出張・経費 (T&E) プロセスの合理化を進めていますが、依然としてデータサイロに頭を悩ませています。第 6 回年次 SAP Concur グローバルビジネストラベル調査によると、出張管理者の 31% が、出張者の出張・経費の全データにはアクセスできないまま出張経費を管理しているせいで、自分の職務を果たすことが難しくなっていると答えています。

だからこそ、統合ソリューションが非常に重要なのです。各ソリューションが互いに連携できない場合、出張と経費を一緒に管理するのは困難です。また、出張・財務チーム以外の部門が出張・経費データにアクセスできない場合、ビジネスへの影響を把握することはさらに難しくなります。統合機能は、Concur Travel Concur Expense などのSAP Concur ソリューションだけに限らず、SAP のソフトウェアやテクノロジー全般において、最も重要な機能の 1 つです。

まとめ

従業員一人ひとりの生産性は業績に影響しますが、従業員が最高のパフォーマンスを発揮できるようにするには、もっとマクロな視点が必要です。突き詰めていくと、最終的には組織のプロセスやツール、システムが整っていることが重要になってきます。

SAP Concur ソリューションの概要と、このソリューションを活用して生産性を高める方法については、「SAP Concurが支出管理の正しい選択肢である5つの理由」をご覧ください。

出張・経費管理トレンド
SAP Concur グローバル出張調査によると、出張者の 84% が、会社が出張前の承認を求めていると回答しています。この傾向により、67% が今年、出張前の承認への重点が高まっていると回答しています。 適切な対策を講じなければ、承認を求める社員と承認する社員の両方にとって大きな負担となります。この課題は生成AIを活用したRequest Assistantで解決することができます。
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2024 年は、AI が出張・経費管理(T&E)のブレークスルーへの道を開きました。SAP Concur の経営陣が予測したように、支出管理向けの予測分析などの新たな AI ユースケースにより、出張管理と経費精算が簡素化され始めています。その一方で、今年は旅行業界におけるパワーシフトにより、出張管理会社 (TMC) の統合が進みました。こうしたトレンドは、2025 年も続くことが予想されます。
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