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4社合同「ミライの人財育成プロジェクト」でDX人材を育成! 担当者に聞いた、その背景と目的とは?(前編)

SAP Concur Japan |

新型コロナウイルスによるパンデミックや不安定な世界情勢など、グローバルにおける大きな変化のうねりは、日本企業にも多大な影響を及ぼしています。日本経済の停滞が叫ばれて久しい中で、ますます不透明さを増す時代を目の前に、競争力のある日本を創るためにはどのような取り組みが必要となっているのでしょうか。その1つが、未来を担う人材の育成です。今回、東京国際工科専門職大学、デロイト トーマツ コンサルティング、ニーズウェル、そしてコンカーの4社は、日本のより良い未来を作り上げていくための人材育成に向けて連携。インターンシップを通じた「DX人材」の育成に向けて共同プロジェクトを実施しました。本プロジェクトに賛同した大学、各社の思いとは、そしてどのような体制でプロジェクトが実施されたのか。このプロジェクトを先導した4名の方々にお話をうかがいました。(後編はこちら)

富田様

デロイト トーマツ コンサルティング合同会社
Finance & Performance ディレクター 富田 吉隆氏
デロイト トーマツ コンサルティングにおいて、経理DXや会計業務のコンサルティングに従事。

岡田様

株式会社ニーズウェル
第3システム事業部 第2システム部グループマネージャー 岡田 圭右氏
独立系システムインテグレーターであるニーズウェルにおいて、SAP Concurの導入やコンサルティング業務を担当。

齋藤様

東京国際工科専門職大学
工科学部 情報工学科 助教 斎藤 亜希氏
生体医工学、知能ロボティクスを研究専門分野にする一方、専門職大学教員として教育機関と企業の人材の橋渡しを担う。

松下さん

株式会社コンカー
パートナー&カスタマー統括本部 デジタルエコシステム部 パートナーセールスチーム リーダー、パートナービジネスマネージャー 松下 はる菜
コンカーにおいて、コンサルティングファームやSIベンダー等のパートナー企業とのアライアンス推進、および事業開発担当を務める。

日本の国力を向上するための未来のDX人材育成に貢献

―インターンシップ/大学寄付講座活動に取り組みはじめた経緯からお聞かせください。
未来1
富田氏
 近年、企業におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)が加速し、その変革に活用されるテクノロジーも目まぐるしく進化しています。しかし、私達が生業とするコンサルティングビジネスを通じて、企業変革の現場を目の当たりにしていると、これまでの業務に固執し、テクノロジーを活用した業務変革の障壁となっているケースが多々見受けられます。そうした障壁を突破していくためには、ビジネスを熟知し、業務変革のための道筋を立てられる「Red Skill」を有した人間と、テクノロジーに精通した「Bule Skill」を持った人材、この2つの人材が協調する、あるいは両方の能力を備えた「Purple people」の存在が不可欠です。そうしたPurple peopleを学生時代から寄付講座/インターンシップを通じて育成し、社会に還元していく。これこそが私達が考える社会貢献の1つと考え、今回参加した皆様にお声がけさせていただきました。

松下氏 富田さんが説明されたことにコンカーとしても賛同したのが参加の理由です。社会情勢が大きく変わる中、日本の競争力が失われていると言われ続けています。次世代を担う若い人材を育成、競争力のある人材を輩出し、日本全体のパワーを強めていくことに貢献できると考えました。

岡田氏 皆様がおっしゃる通り、少子高齢化等によりIT人材も不足しており、若い人材の育成はニーズウェルにとっても喫緊の課題となっていました。そうした危機感を経営層が抱えていたところにお声がけいただき、今回のプロジェクトに参画させていただきました。

社員育成に注力していた企業が即戦力を求める時代に

―学生を実習先の企業に送り出す立場となる東京国際工科専門職大学(以下、IPUT TOKYO)様では、この申し出をどのようにとらえられたのでしょうか。

斎藤氏 既に皆様が語られているように、今後、少子高齢化が加速し労働人口の減少が危惧される中、一人ひとりの生産性や能力を高めていかないことには、日本のGDPは下がる一方です。また、企業はこれまでは入社時の新人教育など社員育成に力を入れていましたが、近年では即戦力となる人材を求めるようになっています。そうした世の中のニーズに対応するため、専門職大学である本学では、一般的な大学で行われている短期の就業体験やインターンシップではなく、600時間以上の長期にわたる「臨地実務実習」を必修科目とし、企業との密な連携を図りながら、企業の課題の解決策を提案するという実践的な実習をカリキュラムに組んでいます。そうした本学にとって、今回のオファーは、まさにDXの現場を学べる最適な機会と考え、申し出を快諾いたしました。

―一方、提携先としてIPUT TOKYOを選ばれた理由はどこにあったのでしょうか。

富田氏 今回の取り組みでは、業務変革に挑むための思考能力をどう身に着けるか、また、問題解決のためにテクノロジーをどう活用していくか、この2つの組み合わせを、仮想プロジェクトを通じて体得して欲しい、という狙いがありました。そうした中、IPUT TOKYOの学生の方々は、既にAIやIoTといった最新技術を学んだ素地があります。これまではビジネススキルを学んだ学生を対象としたプログラムを展開してきましたが、今回は、自分達が学んできた技術を企業変革にどう活用していけるのか、そうしたテクノロジーの観点から実習に臨める人材を対象に考え、まさにIPUT TOKYO様が最適と考えお声がけしました。

斎藤氏 ありがとうございます。富田さんからのオファーは本校の教育理念である“Designer in Society(社会とともにあるデザイナー)”にも一致していました。社会の課題を発見し、デザイン思考に基づいて最適な解法によるソリューション構築にチャレンジする、というものです。一方、昨今の学生達が学ばなければならないことは山積みで、「理論を学んでから実践する」ことが困難になっているのですね。そうしたことから、本学では「実践してから、学ぶ」ことも重視しています。分からないなりに提携先の企業でコミュニケーションを取りながら、主体的に学んでいくわけです。今回はそうした貴重な体験ができる絶好の機会でもありました。

―世の中では、多種多様なITツールが多岐に亘る業務で利用されています。経費精算業務に主軸を置いたSAP Concurを実習プログラムの題材に選んだ理由はどこにあったのでしょうか。

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富田氏 1つは学生の方々が社会人になった時に、すぐに触れる業務が良いと考えたことです。経費精算は誰しもが経験する業務ですからね。また、学生の方々が社会人になった時に、「これは実習を通じて学んだものだ」と振り返ることも期待しました。例えば入社した会社の経費精算業務がペーパーレス化されていなければ、自分が実際に経験したことを活かした変革の提言が行えるかもしれません。

理論から技術実習、仮想プロジェクトまでを実施

―インターンシップは、具体的にどのようなプログラムを設計し、どのような役割分担で行われたのでしょうか。

斎藤氏 学生を企業に送り出す立場であるIPUT TOKYOでは、今回の取り組みを「臨地実務実習」の1つとしてカリキュラムに組み込む一方、対象とする学生の選定を行いました。また、実習中は慣れないことが多いので学生のメンタル面でのフォローも行うようにしています。

富田氏 デロイト トーマツ コンサルティングは、プログラムの全体構成を設定しました。具体的には、①座学による、企業の課題解決に関する理論・DX 事例を学び、理解を深める「理論・事例理解」、②テクノロジーやデジタル技術の習得・活用を目指す「技術習得」、③ソリューション実装を体得する「実体験」の3つから構成されています。併せて、当社は①において、日々の実業務に基づいたコンサルティング方法論や、デジタル技術活用におけるプロジェクト事例/実例の解説を行う講師も務めています。

②では、デジタル技術をどのように業務変革に活用していくのか、そのための技術を学生の方々に習得してもらうために、コンカーとニーズウェルが主体となって実習プログラムを展開しました。

―③の実体験はどのようなプログラムだったのでしょうか。

富田氏 学生の方々に理論と技術を学んでもらった後、実際の企業の現場ではどのような課題が生じているのか、それを自身が見つけ出し、改革に挑む体験をしてもらう場が必要と考えました。そこで、③は、疑似プロジェクトを通じてソリューション実装を体験するプログラムとしました。これは3つのプログラムの中でも、最も設計に苦労したところでもありましたね。実際、数々の顧客企業において数多くの業務変革プロジェクトを経験してきたコンカーの責任者の方とも協議を重ねながら、実際の現場に近い仮想プロジェクトの企画立案に注力しました。

─技術習得プログラムを担当したニーズウェル、コンカーは、具体的にどのような支援を行ったのでしょうか。

岡田氏 ニーズウェルが担当した役割は、当社のソリューションである「AI OCR」の技術を通じて紙の情報から電子情報へ変換するための技術、および設定のための知見の提供です。具体的な実習内容は、はじめに手入力で請求書精算業務を行ってもらい、要した時間も計測してもらいました。続いて、AI OCRを用いて各種帳票を自動的に読み取る仕組みを学生の方々にセットアップしてもらい、SAP Concurと連携させながら、再度精算業務を実施、同様に時間も計測しました。結果、学生の方々からは「かなり楽に早く精算が行えるようになった」との声が多々寄せられ、デジタル技術の活用による効果を実体験してもらえたと思っています。一方、AIは多くの期待が寄せられている領域ではあるものの、「現時点ではこの技術レベルであり、理想として思い浮かべる姿に到達するにはまだまだ先は長い」という現実を知ってもらいたいという思いもあって、ツールに直に触ってもらうプログラムとしました。

松下氏 同じくコンカーも、経理DX やペーパーレス、次世代の働き方を体験することができる技術および設定のための知見を提供するという役割から、当社の経費精算ソリューション「Concur Expense」、および請求書処理プロセスを全自動化する「Concur Invoice」の技術習得に向けたトレーニングを提供しました。具体的には、SAP Concurでは導入認定コンサルティングというパートナー向け資格があるのですが、今回、その資格取得のためのトレーニングを学生の方々に対して実施。技術や知識を会得してもらうと同時に、SAP Concurを活用することで、企業が抱える課題をどのように解決するのかを体験してもらいました。また、③の仮想プロジェクト研修でも、実際に現場で業務を行っているコンサルタントを講師として招聘。仮想プロジェクトでは、9名の学生の方々を3チームのプロジェクトチームに分けて実習を行ってもらったのですが、講師陣も各チームに参加、プロジェクトの進め方や改善方法に関する相談役を務めてもらいました。

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―今回のインターンシップに参加された学生の方々に対して、どのような印象を持たれましたか。

岡田氏 近年の若者は「草食系」や「自己表現が弱い」など、世の中では色々なことが言われています。しかし、今回インターンシップを通じて学生の方々に直接触れ合ったのですが、正直、あらゆる面で非常に驚かされたのです。

後編へ続く

本記事では、IPUT TOKYO、デロイト トーマツ コンサルティング、ニーズウェル、コンカーの4社によって実施された学生のインターンシップによる「ミライの人財育成プロジェクト」の概要についてお話をうかがいました。
実際のプロジェクトを通じて、ニーズウェル岡田氏が「驚かされた」と感じたことは、どのようなものだったのでしょうか?次回は、プロジェクトの推進によってもたらされた効果と、今後に向けた展望や課題について、引き続き4名の担当者に語り合っていただきます。この続きは、後編をお待ちください!

本プロジェクトに関するプレスリリースはこちら

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