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4社合同「ミライの人財育成プロジェクト」でDX人材を育成! 得られた成果と今後の展望について(後編)

SAP Concur Japan |

東京国際工科専門職大学(以下、 IPUT TOKYO)、デロイト トーマツ コンサルティング、ニーズウェル、そしてコンカーの4社による、競争力のある日本を創るための人材育成プロジェクトとして実施された「ミライの人財育成プロジェクト」。前編では、プロジェクト実施の背景や目的、カリキュラムの具体的な内容についてお聞きしました。後編となる本記事では、プロジェクトを経て得られた成果や今後の展望についてお話をうかがいます。

未来を担うと期待される人材が、より明確な目的意識をもつように

―今回のインターンシップに参加された学生の方々に「驚かれた」とのことでしたが、詳しくお聞かせください。
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岡田氏 最初は「学生がここまで取り組むのは難しいだろう」と考え、当社の新人教育の体験も踏まえつつ、カリキュラムのハードルを少し易しいものに調整しました。しかし学生の方々は熱意を持って与えられた課題に取り組み、こちらの予想を上回るほど次々にクリアしていく能力を持っていました。プログラムの終了時には「もっと難しい課題にしてほしかった」という声もあったほどで、その能力の高さに驚いたと同時に、「早く言ってよ~」と思わず笑ってしまったほどです。
また、「最近の若者は自己表現が弱い」などと言われることが少なくありませんが、プログラムに参加された学生は、そんな言葉とは真逆の方々ばかりでした。さらにはプロジェクトがスタートした当初と終了後の表情も段違いに変わり、1つの物事を完遂できた“達成感”を得られた様子がありありと感じられましたね。

―プロジェクトは約2か月の期間をかけて実施されましたが、どのような成果が上げられたと考えていますか。

斎藤氏 IPUT TOKYOにとって本プロジェクトの最大の成果は、業務改善プロジェクトの上流から下流までを学生達が一気通貫で学び、体験できたことです。これは、デロイト トーマツ コンサルティング、ニーズウェル、そしてコンカーの3社のご協力があったからこそと言えるでしょう。学生の就職活動が早期化する中、IPUT TOKYOでは企業や地域社会からの要望を組み入れながら、「臨地実務実習」などのカリキュラムを作り上げていくことも課題となっています。今回のプロジェクトを通じて、そうした授業を組み立てる際の大きなエッセンスをいただけました。加えて、学生達が学問としてのIT知識を学ぶと同時に、企業や地域社会の要請に応え、すぐに社会に還元できる能力を身に付ける、という2つも満たすこともできたと考えています。何より、プロジェクトを通じて、学生達の就職活動に対する意識が明確化されたことも大きな成果と捉えています。

―実際に参加された学生の方々からは、どのような感想がありましたでしょうか。

斎藤氏 私が一番驚いたのは、参加前までは漠然と抱えていた学生自身の将来像が、明確に具現化されていたことです。今回の「臨地実務実習」に参加した学生達との会話では、「自分はこの業種・業界で仕事をしたい」、「上流過程のコンサルティングをやってみたい」、「現場で実際にシステムを触って業務改善に携わってみたい」といった感想が多々寄せられました。これは先にもお話しした、「業務改善プロジェクトの上流から下流までを一気通貫で学び、体験できた」ことの成果だと感じています。

上流から下流まで業務改善の工程を一貫して習得

―SIerとしての観点からはどのような効果があったと考えていますか。

岡田氏 第1には、4社間でこのようなご縁ができたことです。コンカーをはじめデロイト トーマツ コンサルティングとこれまでも一緒に仕事をしてきましたが、IPUT TOKYO様も加わった今回のプロジェクトを通じて、より親密な協力体制が築けたと考えています。

加えて、意欲に燃えている学生の方々の熱量を直にたっぷりと受け取ることもできました。先にも話した通り、学生の方々は、私達の当初の予想を上回るパフォーマンスでプロジェクトに取り組まれていました。この体験を社内にフィードバックし、当社の新人教育にも繋げていきたいと考えています。

―コンカー側では、今回のプロジェクトに対してどのような感触を得られましたか。
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松下氏 プロジェクト終了後のアンケートを拝見したところ、回答の中で共通していたコメントに、「上流工程だけでなく、実務も一通り経験できたことに大きな価値があった」、「企業変革の考え方から実際の取り組みまで、座学と体験を通じて自分のものにすることができた」といったものがありました。この結果からも、プロジェクトは一定の成果をあげられたと考えています。
また、学生の方々のキャリアイメージの解像度が上がったことも、大きな効果としてとらえています。先ほど斎藤先生からもお話がありましたが、「DXに携わる仕事につきたい」など、プロジェクトを完遂したことで、自分自身の社会人人生を描くヒントや気付きを得られた様子が多々見受けられました。このことは、私としても一番嬉しかったですね。

富田氏 松下さんがお話されたように、私もプロジェクトに大きな手応えを感じられました。今回のプロジェクトでは、従来の業務の枠を超えてどんどん新しい変革にチャレンジしていったり、そのために複数の会社とコラボレーションしたりすることが求められています。そうした経験は、彼らにとって新鮮なものであったと思いますし、これから学生の方々がビジネスの世界へと飛び込んでいく際の、“中二階”になることができたという手応えを感じました。

―プロジェクトでは、業務務変革のための道筋を立てられる「Red Skill」と、テクノロジーに精通した「Bule Skill」を備えた「Purple people」を育成していくことを目標として掲げていましたが、この点についてはいかがでしたでしょうか。

富田氏 限られた短い期間の中で、一足飛びでPurple peopleを育成していくことが難しいのは、十分に理解しています。しかし、今回のプロジェクトを通じて「自分が会社に入って働き始め、企業改革をしていく時にどういった観点を持って取り組んでいくのが望ましいのか」といったPurple peopleへと育っていくための素地を、学生の方々の中に刻み込めたと思います。実際、自身が会社に就職して働きはじめた後、日々の業務の中で課題を見つけた時に「そういえば、学生時代に業務改善を体験したな」と振り返り、実際に提案したり改善に取り組んだりしてもらえると期待しています。

エコシステムをさらに拡大し、未来を担う人材のさらなる育成を推進

―今後どのように本プロジェクトを発展させていきたいか、現時点で課題としてとらえていること、また、次のステップや将来的に目指していく姿についてお聞かせください。
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斎藤氏 IPUT TOKYOの課題としては、カリキュラムの改変の必要性があると考えています。学生、受け入れ先となる企業様の双方にとって、どういったカリキュラムを設計していけば最も効果があるのか。例えば、今回は3年生の10、11月に実施しましたが、もっと早い時期が良いのか、遅い時期が良いのか。期間も2か月では長いのか、短いのか。企業・学生の両方の意見をしっかりヒアリングしつつ、Win-Winな体制が築けるように考えていきたいと思います。
今後の展望としては、インターンシップに限らず、様々な場面で多くの企業と関われる機会を広げ、より社会と繋がっていけるようなカリキュラムの設計、さらには大学の組織体制も築いていきたいと考えています。

―そうした中でデロイト トーマツ コンサルティング、ニーズウェル、コンカーの3社に期待することや要望することがあればお聞かせください。

斎藤氏 期間限定ではなく、年間を通してうまく業務提携ができたらと考えています。ある期間内に集中して実習を実施するのは受け入れ先となる企業の負担が大きいこともありますが、普段から日常的に行われている業務に学生達が携われるような協業が行えるようになれば、さらに社会と大学が繋がるようになり、学生達も社会人としての能力を身に付けられるようになります。ひいては、日本のGDP向上にも貢献できるようになると考えています。

―続いて、ニーズウェルとして、今回のプロジェクトを通じて課題として感じられたことがありましたらお聞かせください。

岡田氏 私達が予想していたペースを大幅に上回る速度で、学生の方々は用意したカリキュラムを消化されたので、次回は早い段階でヒアリングを行い、フォローアップや途中でのカリキュラムに改善・変更に時間を充てられるようにしていきたいですね。改めて、今回こうした機会をいただけて本当に感謝していますし、ニーズウェルとして今後も継続的に協力していきたいと考えています。

―デロイト トーマツ コンサルティングとしては、今後、本プロジェクトをどのように発展させていきたいとお考えでしょうか。

富田氏 私達は企業を変革し、さらに上の次元へとビジネスや経営を高めていくコンサルティングを生業としています。その中で培われた経験や知見をいかに大学様に還元していけるかが課題です。具体的には、デジタル技術を活用した企業変革のリアルをいかに体現してもらえるようにするのか。理論、技術、ケーススタディなどを活用するとともに、関係各社や大学様との連携もさらに進めていきたいと考えています。

―最後にコンカーとしての振り返りと今後の展望についてお聞かせください。

松下氏 はじめに、今回のプロジェクトではSAP Concurという製品ありきでプログラムが組まれていたこともあり、当社のソリューションを深く理解いただく機会となったことは大変にありがたいお話であったと感謝しています。しかし、業務改革を体験するという側面から考えると、範囲が限定的なってしまった部分もあるのは改善点であると捉えています。1つのことをより深く、よりリアリティをもって取り組むという演習だけでなく、SAP Concur以外にも学生の方々にとって必要なテクノロジーの知識や、実導入事例を幅広くインプットできるようなプログラムも必要であり、コンカーも自社ソリューションにこだわらず、広い視野をもって未来の人材育成に貢献していきたいと考えています。
また、今回参加された4社だけでなく、「未来の人材を育成しよう」という取り組みに賛同する企業や大学は沢山いらっしゃると考えています。今後はこの取り組みの輪を広げ、さらに大きなエコシステムを形成し、日本の成長に寄与していきたいと考えています。

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終わりに

コンカーでは、引き続きパートナー様各社と協業し、人材育成をはじめとした社会への貢献を深めていきたいと考えております。また、大学・教育機関様のDX推進に弊社のソリューションをお役立ていただくべく、さまざまな活動も行っていきます。
何かご不明点、またご関心お持ちいただけた点がありましたら、コンカーのホームページ、またはSAP Concurの担当者までぜひお知らせください。お待ちしております。

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