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会計システムとは?メリットや選び方などを詳しく解説

SAP Concur Japan |

デジタルトランスフォーメーション(DX)が進む現代のビジネス環境において、会計システムの導入は企業の競争力を左右する重要な経営課題です。特に、昨今の働き方改革やテレワークの普及により、クラウド型の会計システムへの注目が高まっています。本記事では、会計システムの基礎知識から選定のポイントまで、実務的な視点で解説します。

会計システムとは

会計システムは、企業の会計業務をデジタル化し、効率的に処理するためのITツールです。基本的な仕訳入力から各種帳票の作成まで、会計業務全般をサポートします。近年では、AIやOCR技術を搭載した高度な自動化機能も充実しており、業務効率を大きく向上させることが可能になっています。

また、よく混同されがちなシステムとして、「経費精算システム」が挙げられます。経費精算システムはその名の通り、経費を効率よく精算できるようにするシステムであり、会計システムとは目的や機能が異なるため、注意が必要です。

経費精算システムについては「経費精算システムは中小企業の経理課題を解決する?導入のポイントとは?」をご覧ください。

会計システムの機能

現代の会計システムは、自動仕訳や帳簿作成といった基本機能はもちろん、銀行取引やクレジットカード決済との連携など、幅広い機能を搭載しています。さらに、法令に準拠した帳票の自動作成や電子帳簿保存法への対応など、法改正にも柔軟に対応できる製品が増えています。

  • 自動仕訳
  • 帳簿作成
  • 銀行やクレジットカードとの連携
  • 帳票等の出力
  • 固定資産管理

など

電子帳簿保存法については、「改正電子帳簿保存法の要件とは?主な改正点をわかりやすく解説」をご覧ください。

会計システムの目的

会計システムを導入する目的は主に以下の4つが挙げられます。

会計業務の効率化

従来は仕訳から起票、帳票作成まですべて手作業で行う必要がありましたが、会計システムを導入することで、仕訳入力から決算書・確定申告書の作成までの業務フローをすべてシステム上で行うため、データ入力するだけで各種書類を作成できるなど、作業時間を大幅に削減できます。

また、銀行取引やクレジットカード決済、経費精算システムなどとの連携により、取引データの自動仕訳や領収書のデータ化が可能となり、業務効率を飛躍的に高めることができます。

人的ミスの低減

手作業による会計処理では、転記ミスや計算ミスが避けられない課題でしたが、会計システムを導入することで、これらのミスを大幅に削減できます。システムの自動チェック機能が不適切なデータ入力や勘定科目の誤りを即座に検知するため、早期の修正が可能です。さらに、定型的な仕訳パターンの登録や定型仕訳の活用により、入力ミスのリスクも最小限に抑えられます。

制度改正に迅速に対応

頻繁に行われる税制改正や会計基準の変更に対して、システムのアップデートを行うだけで迅速な対応が可能です。特にクラウド型システムでは、サービス提供者側で法改正への対応が行われるため、ユーザー側での対応負担が軽減されます。これにより、常に最新の制度に準拠した会計処理が実現できます。

このように、手間がかかりがちなインボイス制度への対応も会計システムを導入することで、スムーズに行えます。

インボイス制度の対応について詳しくは「インボイス制度への対応をやらないとどうなる_請求書を受け取る側の対応を解説」をご覧ください。

決算の早期化や経営戦略の迅速化

従来の決算処理は、月次・年度ともに時間がかかり、その結果として経営判断も後手に回りがちでした。しかし、会計システムを導入することで決算処理業務が大幅に効率化され、経営判断に不可欠な財務情報をリアルタイムで把握できるようになりました。

変化の激しい現代のビジネス環境では、スピーディーな意思決定が競争力を左右します。そのため会計システムを導入し、正確性の高い財務データを経営陣に迅速に提供することは、戦略的な判断をより早い段階で行うことにつながります。このような意思決定の質とスピードの向上は、企業の持続的な成長への大きな推進力となるでしょう。

会計システムの種類

会計システムには単独の業務システムとして利用できるものと、ERPの一部として利用できるものが存在し、その中でもクラウド型とインストール型の2種類に大別されます。会計システムを導入する際は、これらの中から自社の規模や業務内容、セキュリティ要件などに応じて、最適なタイプを選択する必要があります。以下の各タイプの特徴を確認しておきましょう。

クラウド型

クラウド型は、自社のPCに限らずインターネット環境があればどこでも利用できます。入力データは自動的にクラウドに保存されるため、バックアップの手間も不要。万が一の際のデータ保護という観点からも、安心して利用可能です。また、スマートフォンやタブレットからもアクセス可能なため、テレワーク時の業務にもスムーズに対応できます。さらに法改正への対応も、システムのアップデートだけで完了するため、従来のような大がかりな変更作業は不要です。

ただし、導入を検討する際は、安定したインターネット環境の確保が必須である点や、継続的な月額費用が発生することにも留意が必要でしょう。

インストール型

インストール型は、システムを自社のPCに直接導入して利用する形式です。インターネット接続に依存しないため、比較的安定した動作が特徴で、業務をスムーズに進められます。また、データを社内で完結して管理できるため、外部漏えいを気にせず安心して扱えます。

導入費用は主に買い切り型となっており、初期費用以外の追加支払いは原則発生しません。ただし、法改正などへの対応は、その都度システムの更新作業が必要となります。クラウド型のような自動アップデートには対応していない点は、考慮しておく必要があるでしょう。  また、インストールした端末に限り利用できる点も理解しておきましょう。

会計システム比較表

会計システムの選び方

業務効率化と投資対効果の最大化を実現するためには、自社の業務規模や特性に合わせた適切な会計システムの選択が重要です。導入目的を明確にし、現状の課題と将来の拡張性を考慮した検討を行いましょう。

利用人数

企業の利用人数や規模に適切な会計システムを選択することで、最適なコスト運用につながります。

例えば、自社の規模がそれほど大きくない場合にもかかわらず、大規模な会計システムを導入してしまうと無駄なコストが発生してしまう可能性が高まります。一方で必要以上に機能を絞り込めば、アクセス待ちが発生するなど業務効率の低下を招きかねません。そのため、自社の利用人数や規模に適した会計システムを導入しましょう。

この時、アクセス待ちを軽減するために経理部門だけでなく、各部署からの閲覧や入力の必要性も考慮に入れる必要があります。導入前に、月次決算時の最大同時利用人数や、データ入力のタイミングなど、具体的な業務フローを検証しておくと選定時に役に立つでしょう。

仕訳入力のしやすさ

日常的な業務効率に最も影響を与える要素の一つが、仕訳入力のしやすさです。直感的な操作性と、自社の業務フローに合った入力方式を選択することが重要です。特に、仕訳パターンの登録機能やショートカットキーの充実度、入力補助機能の有無などを確認する必要があります。

サポート体制の充実度

システム導入後の安定運用を確保するためには、充実したサポート体制が不可欠です。特に、大掛かりになりがちなシステム導入時のサポートや、年度末の決算期などの繁忙期における即時対応の可否、トレーニング体制の充実度などを確認することが重要です。また、マニュアルやFAQの整備状況、問い合わせ対応時間なども重要な判断基準となります。

会計システムで企業の競争力強化を図ろう

会計システムを導入することで、企業の業務効率化だけでなく経営戦略など重要な意思決定も迅速化できます。これにより変化の激しい現代においては、企業の競争力強化につながるでしょう。このように会計システムは、経営戦略を支える重要なインフラへと進化しています。この機会にぜひ、導入してみてはいかがでしょうか。

また、会計システムと連携することで、より業務効率化につながる「経費精算システム」も導入検討をおすすめします。コンカーの経費精算システム「Concur Expence」では必要な書類の電子化を行い、適切に保管できます。また、いつどこにいても経費精算業務を行うことが可能となり、経理業務の業務効率化やDXに貢献します。

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