オフィスの引越しの際、リサイクル費用はどう処理する?- 経費に関する意外と知らないFAQ

経費精算に関してよく聞かれる質問とその回答をまとめたブログシリーズ、今回はリサイクル料金の会計処理がテーマです。

リモートワークが進むにつれ、オフィスを無くしたり、小さなオフィスに引っ越したりする会社が増えています。また、会議室でのミーティングに代わってウェブ会議が増えたことにより相手先に移動をする機会が減ったため、社用車を手放しているパターンもあると聞きます。これらの場合、オフィスで使用していた家電を廃棄したり、社用車を売却する際の会計処理はどのようになるのでしょうか。リサイクル料金はどの勘定科目で会計処理のするのでしょうか。以下で詳しくみていきましょう。

 

質問:

オフィスで使用していた家電を廃棄する際や社用車を売却する際にリサイクル料金はどのように処理しますか?

 

回答:

オフィス家電と社用車では、リサイクル料金の会計処理が異なります。オフィス家電は、廃棄する際にリサイクル料金を支払い、「雑費」などとして会計処理をします。一方、社用車などの車両の場合は、購入の際にリサイクル料金を支払いますが、「リサイクル預託金」などとして会計処理をします。

 

解説:

リサイクル料金とは?

近年、廃棄物の増加や不法投棄が問題となり、リサイクルへの関心が高まったことで、リサイクル法が制定されることになりました。リサイクル法には個別物品の特性に応じたリサイクル法がいくつかありますが、これらのうち、会社や企業に関連するのが、いわゆる、家電リサイクル法と自動車リサイクル法です。

家電リサイクル法では、特定の家電製品(冷蔵庫・冷凍庫・洗濯機・衣類乾燥機・エアコン・テレビ)を排出する消費者などは、これらの家電製品が確実にリサイクル処理されるよう、リサイクル料金を支払わなければならないと定めています。

また、自動車リサイクル法では、自動車所有者、自動車製造業者、関係事業者などの役割が定められており、自動車の廃棄物の処理に伴う環境への負荷の低減に関する費用として、車両の保有者に対するリサイクル料金を定めています。

 

家電のリサイクル料金は廃棄する際に支払い、雑費などとして会計処理する

家電リサイクル法が適用される家電(エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機)については、廃棄する際、業者に対して、収集・運搬に要する料金と共に、リサイクル料金を支払うことにっています。

この場合、家電の廃棄に伴う費用として、一時的な支出になるため、リサイクル料金は、廃棄の際、「雑費」などの費用、或いは「雑損失」などの損失として会計処理を行います。

 

社用車のリサイクル料金は購入の際に支払うが、リサイクル預託金などとして会計処理する

一方、自動車リサイクル法が適用される社用車の場合は、原則、新車購入の際に、リサイクル料金を支払います。しかし、購入した社用車を中古車として売却する際には、車両部分の価値金額に加えて、リサイクル料金相当額を受け取る権利があるとされており、実質的には次の購入者がリサイクル料金を負担することになります。

つまり、車両の所有者が代わるごとに新たな所有者にリサイクルの負担が引き継がれることになり、「最終的に車を廃車処分する者」がリサイクル料金を支払うことになります。

そのため、新車や中古車を購入した際に支払ったリサイクル料金は、購入時には「費用」となることが確定しておらず、預り金の性質を持つものとなります。よって、車両を保有している間は売却するまで、リサイクル料金として支払った金額は、「リサイクル預託金」、「預託金」、或いは、「長期前払費用」などとして、これをいったん資産計上することになります。そして車両を売却する際に、このリサイクル預託金も譲渡することになりますので、計上した「リサイクル預託金」などを減額する会計処理を行うことになります。

 

まとめ:

家電リサイクル法が適用される家電などを廃棄する場合は、雑費などで費用として処理し、自動車リサイクル法が適用される場合は、購入する際にリサイクル預託金などとして預り金と同様に処理し、売却する際にそれを減額する処理を行います。オフィス家電や社用車を処分する際は、リサイクル料金の会計処理の違いに注意して処理しましょう。

 

<著者プロフィール>

細田 聖子(ほそだ せいこ) 公認会計士・税理士
2012年、公認会計士登録。2016年、税理士登録。1999年から香港留学。2003年から2008年まで、上海でOL、日本語教師等の中国勤務。2010年、公認会計士試験論文式試験合格。2012年より、中国深センの会計事務所等を経て上海勤務となるも、2015年、乳がん告知により帰国。日本で治療をしながら大阪の税理士法人に所属。2018年5月に独立し、フリーランスのライターとして執筆活動など様々な業務に従事。

  

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