導入事例

「長期出張中は経費精算が出来ない」という常識をコンカーで覆したJVCケンウッド・ビクターエンタテインメントの決断とは

SAP Concur Japan |

外勤が多く、立替経費が多い音楽ビジネスならではの経費精算に対応するためSAP Concurへ移行しました。時間、場所、端末を選ばない経費精算や、データ連携による入力の手間の軽減は、社員から喜ばれています

株式会社JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント 経理部 決算グループ プロジェクト・リーダー 眞鍋達哉 氏

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JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント(以下、ビクター)は、JVCケンウッドグループのエンタテインメント事業を担う会社である。同社のほか、アニメ事業専門会社、芸能マネジメント会社など5社でビクターエンタテインメントグループを構成し、音楽関連ビジネスを展開している。ディレクター、プロモーターといった社員は外勤が多く、立替経費も発生。紙での経費精算は工数がかかるためConcur Expenseを導入。モバイルを活用し、時間、場所、端末を選ばず経費精算できるようになったことで、負担削減を実現した。

音楽ビジネス独特の経費精算業務に対応するため、紙からSAP Concurへ移行

 ビクターは、日本ビクターの音楽レコード事業部に始まり、数多くのアーティストの作品を世に送り出すなど、日本の音楽産業を担ってきた。

 現在、同社とアニメーション関連の事業を行う「フライングドッグ」、アーティストのマネジメントを主事業とする「ビクターミュージックアーツ」、「スピードスターミュージック」、アーティストのグッズや印刷物の企画・デザインを行う「JVCネットワークス」を合わせた5社が、ビクターエンタテインメントグループとして連携しつつ、音楽関連ビジネスを展開している。グループ全体の社員数は約400名だ。

 しかし、その経費精算業務は煩雑だった。経理部 決算グループ プロジェクト・リーダーの眞鍋達哉氏は次のように語る。「グループ社員の約半数が音楽の制作ディレクターや宣伝プロモーターとして勤務しています。加えて、アーティストのマネジメント業務を担当する者がいます。こうした社員の仕事は、通常アーティストと共に行動することが多く、外出先での業務がメインとなっていますが、経費精算は紙で申請してもらわなければならず、帰社して手続きをする必要がありました」

 音楽制作やプロモーションに携わる社員は、アーティストのライブ活動やコンサートツアーに同行するなどして仕事をするため、帰社したときに同行期間中に立替えた多種多様な経費を精算しなくてはならない。
「当社では、一般社員から役職者に至るまで経費精算をする従業員が多く、種類も非常に多いのが特徴でした。しかも、出張が続く場合は精算できない状態となっていました」

 その上、経費精算書を作成するだけで、かなりの手間と時間を費やさなければならなかった。交通費の場合なら、Webで交通費を調べ、Excelで精算書を作成してプリントアウトし、必要な領収書を添付して上長に申請する。これが承認されたら経理部に提出し、経理部は提出された精算書をもとに会計システムに入力・精算するという流れだ。
「交通費をWebで調べ、精算書を作成するだけでもかなりの長時間を必要としました。経費の多い社員で半日、少ない社員でも1 時間から3時間はかかっていたと思います」

直感的に操作できるインターフェースやモバイルアプリに魅力

 こうした状況の中で、ビクターは、経費精算システム刷新の決断に至る。初期段階で約10社、最終的には4 社のシステムを比較検討した。
検討段階でのSAP® Concur の印象について、眞鍋氏は次のように語る。
「SAP Concur のことは、ネット検索で初めて知りました。2016 年に開催されたConcur Fusion にも出席し、デモを見て機能や使い勝手を確かめたところ、システムの操作方法が簡単そうだと感じました。また将来に渡って、従業員が精算業務に使う時間を削減でき、コンプライアンス強化に役立つという印象を受けました」

 最終的にSAP Concur に決定した理由は大きく分けて3点が挙げられるという。
「まず第一に勘定科目の管理が最初から複数可能であること。第二に、直感的な操作がしやすいユーザーインターフェースで、デザイン的にも洗練されていること。第三に、外出先でもモバイルアプリで経費精算ができて利便性が高いこと。この3点が選定の決め手となりました」

 SAP Concur に期待した点は主に、経費精算業務に費やす時間の大幅削減であり、場所、時間、端末を選ばず、経費申請・承認ができるようにすることだった。こうしてビクターは2017年3月にSAP Concur 採用を決定し、9月から本格稼動を開始した。グループ導入時には、システムやアプリを使用した1 時間半ほどの説明会を計4回実施した。

時間・場所・端末を選ばず経費精算が可能に。手入力が無くなり手間も激減

 SAP Concur の導入によって経費精算業務は、大きく効率化、簡素化された。
「交通費は、IC カードのデータをSAP Concurに読み込ませるだけで済むので、後からWebサイトで調べたり、Excel に転記するプロセスが不要になりました。また、携帯しているスマホ、タブレット、ノートパソコンなどによって申請から承認まで経費精算業務ができるので、わざわざ帰社して作業する必要もなくなりました。さらに交際費についても、以前は別システムで申請してから、その申請書を印刷し、紙の精算書に添付しなければなりませんでしたが、SAP Concur によって事前申請から精算まですべてできるので、印刷や紙への押印も不要となり、プロセスが簡素化されました。領収書もスマホで撮影し、画像データをSAP Concur に送信すれば済むので、紙の領収書の回覧も不要です。画像データが出先で確認できるため、承認も非常に早くなりました」

 稼働から間もないため問い合わせもあるが、概ね社員からの評価は高いと眞鍋氏は話す。
「まだSAP Concur に慣れていない者もいますが、ほとんどの社員が、社外でスマホやモバイル端末を使って経費精算をするようになってきました。公共交通機関を利用した際、IC カードの利用データ取り込み、経路検索機能などを使って、経費精算処理がシステム内だけで完結できるようになったため、手間がかからなくなったとの声は多いですね。また、交際費、会議費などの同席者情報についても、システムに登録すれば次回以降は検索だけで済むので、入力作業が楽になったという声も聞いています」

 以前の経費精算方法では、会計システムに入力するための人員を経理部門以外に配置していたが、SAP Concur を導入したことで、その作業はすべてなくなったという。
「手作業で行っていた煩雑な伝票入力作業がなくなったことで、経費精算業務が軽減されただけでなく、入力ミスなどの心配もなくなりました」

 さらに、今後の展望について眞鍋氏は「従来の紙ベースでの管理ではできなかったデータの蓄積が可能となったので、経費データの有効活用について検討中です。そしてペーパーレス化を促進するため、電子帳簿保存法への対応にも取り組みたいと考えています。今回は経費精算業務のプロセスを改善するために、立替え精算の仕組みを導入しましたが、今後は業者払い案件への対応を考え、Concur Invoice の導入も検討しています」

 これからSAP Concur 導入を検討している企業に対して、眞鍋氏は「SAP Concur の導入に合わせて、規程の見直しを含めた自社の経費精算プロセスの簡略化をどうするかをよく考えることが大切だと思います」とアドバイスし、
締めくくった。

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