導入事例
【セミナーレポート】旭化成様ご登壇! 画面ガイダンスツールで問い合わせをなくそう。Concur User Assistant by WalkMeのご紹介
2024年11月5日に「旭化成様ご登壇! 画面ガイダンスツールで問い合わせをなくそう。Concur User Assistant by WalkMeのご紹介」(主催:株式会社コンカー)を開催し、現地で19社28名様、オンラインで49社55名様にご参加いただきました。当日は株式会社ニーズウェル 第3システム事業部 第1システム部 プロジェクトリーダー 浦﨑侑紀氏、WalkMe株式会社 フィールドCTO本部 本部長 両羽 大 氏 にご登壇いただき、Concur User Assistant by WalkMeの機能や具体的な導入方法説明してくださいました。続いて旭化成株式会社 デジタル共創本部 IT統括部 業務推進グループ 課長 上野 あゆみ氏にご登壇いただき、実際の導入事例をご紹介していただきました。本ブログ記事では当日の様子をご紹介します。
【冒頭挨拶】DAPへの注目度が高まっている
コンカーより今回のセミナーは満席のご参加をいただいており、その背景にはDAP(Digital Adoption Platform)への注目の高さが考えられることを説明しました。その上で今回のセミナーでは、経理・情報システム部門の方々が感じている、「マニュアルにいくら書いても問い合わせがやまない」「法改正を周知しても現場に徹底がなされない」といった、お悩みを解消するヒントをご提供したい旨を述べました。
【製品紹介】Concur User Assistant by WalkMeの概要
株式会社コンカー ソリューション統括本部 エンタープライズソリューションマーケティング部 ソリューションコンサルタント 池田朋子より、Concur User Assistant by WalkMeの概要をご紹介しました。
WalkMeとは、既存システムの上から被せるようにコンテンツを配置し、エンドユーザーがスムーズにデジタルツールを利用できるよう助けるDAP(Digital Adoption Platform:デジタルアダプションプラットフォーム)です。たとえばユーザーが操作に迷いそうな部分に、マニュアルのリンクボタンを配置したり、特定条件を満たした場合にキャプションを表示したり、デジタルツールを横断した作業が必要なときは別ツールを自動で起動して遷移させたりすることができます。
SAP ConcurとWalkMeは2020年ごろから協業し始め、2024年秋にWalkMe社がSAPグループに合流したことを契機により強固な連携を築いています。
また、UserAssistantはWalkMeの機能はそのままに、ブラウザの拡張機能を使わなくても、Concur製品の一部としてWalkMeを使うことができます。
Concur User Assistant by WalkMeは、①分析基盤、②表現力、③メンテナンス性、④セキュリティ に優れたDAPツールです。
【サービス紹介】画面操作における具体的な課題と課題解決事例のご紹介
SAP Concurの導入サポートサービスを提供しているベンダーで、過去5年間コンカーのアワードを受賞されている、株式会社ニーズウェル 第3システム事業部 第1システム部 プロジェクトリーダー 浦﨑侑紀 氏に、ConcurにWalkMeを導入することでUI・UXを改善した事例をご紹介いただきました。
具体的にはSAP Concur利用時によく発生する、「領収書の差し替え」「領収書添付不備」「経費タイプの選択間違い」「入力/選択内容の不備」「インボイスの適格事業者選択の誤り」などに対して、WalkMeを組み合わせることで、事前に発生率を抑止することが可能になります。添付を促すメッセージを画面上に配置したり、マニュアルのリンクボタンを貼ったり、ログイン時に法改正や組織体制変更に関するメッセージを表示させたりできます。この機能により、エンドユーザーが入力の都度、注意すべき事項を認識してミスを減らせます。また迷いやすい項目にガイドがあれば、情報システム部門に対する問い合わせを減らすことにもつながります。たとえばインボイス制度対応の領収書とそうでない領収書を分けて登録する運用の場合、「領収書にTから始まる13桁の番号がある場合はこちらを選択」のようなガイドをつけておけば、入力ミスを大きく減らせます。
また入力の手間を軽減するために、WalkMeが自動で入力項目を埋めたり、よく使われる定型文を提案したりもできます。ワークフロー上で時間がかかっているポイントなどを分析機能で数値化し、素早く改善に動くための分析基盤も提供しています。
【製品紹介】DAPを取り巻く環境とSAP Concur ✕ WalkMeの価値
WalkMe株式会社 フィールドCTO本部 本部長 両羽 大 氏より、DAPが求められている背景と、SAP ConcurとWalkMeを組み合わせて活用するメリットをご紹介しました。
多くの企業でDXをうたっているものの、実はその7割が失敗しています。それはDX化のゴールがデジタルツールの導入であると考えてしまっているからです。その結果、従業員や顧客が、デジタルツールを使うために本来不必要なコストを支払う状況になっています。たとえばツールの研修、ヘルプデスク、クリック操作、マニュアル、アプリ切り替え、複雑なワークフローなどは、本来であればない方がよいものです。これは近年導入が進むAIにもいえることです。“Fit to Standard”のツール導入によるユーザーへの負担を軽視し過ぎた結果、エンドユーザーの”頑張り“に依存したDXとなってしまうのです。
WalkMeは、複数のシステムをまたいでワークフローを束ね、企業の競争力を生み出すことを目指して作られた、DAPの中でも一線を画す製品です。「ツールやワークフローを探す」のではなく、デスクトップから「なにをしたいのか」を選べば、勝手に必要な場所に連れて行ってくれます。複数のツールを横断する場合でも、自動で各ツールを起動し、必要な画面まで遷移させることができるため、ユーザーの負担は大きく軽減します。WalkMeは、業務効率化により企業競争力を生み出し、ビジネス目標の達成に貢献します。
近年は新たなトレンドとして、DAPにAIを導入する取り組みが進んでいます。しかしAIにおいてもSaaSサービスと同じく、導入を阻害する要因があります。AIをどう使うか、いつ使うか、といったユースケースを整理できていない会社が多いのです。結果的にユーザーが“気が向いたときに”使う程度になっていしまっています。WalkMeには、「WalkMe X」というAIのネクストアクションを自動的に提供するサービスがあります。
今年SAP社によるWalkMe社の買収を経て、SAPファミリーの一員になりました。これにより、SAP ConcurとWalkMeの両方を導入しているお客様に、よりタイムリーなサポートを提供できるだけでなく、SAP Concurの製品仕様にフィットした製品をご提供できるようになります。一方で、従来のWalkMeはConcur製品に限らずツールを横断して使えるツールで、今後も引き続き他社ツールでも使えることを、CEOレベルでコミットしています。
【事例講演】ConcurにおけるWalkMeの活用術~旭化成の事例をお見せします~
旭化成株式会社 デジタル共創本部 IT統括部 業務推進グループ 課長 上野あゆみ 氏より、旭化成におけるSAP ConcurとWalkMeの活用事例をご紹介いただきました。
1. 導入の背景
これまで旭化成は、独自の旅費精算システムと、経費精算システムをスクラッチで作っており、自社業務用に高度にカスタマイズしたものを使っていましたが、2021年の4月にConcur Expenseに切り替える決定をしました。
長く自社運用にカスタマイズされた社内システムを、Fit to StandardのSaaSに切り替えるとなると、SaaSに慣れていない社員にとっては大きな壁があります。さらにこれまで紙とハンコによる手続きを行っていたため、電子帳簿保存法にも対応してデジタル化する必要がありました。しかもこの時期は、まさに新型コロナウィルスが大流行している時期だったため、現地説明会やハンズオンができませんでした。
SaaSにはいろいろな便利な側面がある一方で、自社ルールにそぐわない側面も多分にあります。その中で導入すると、経理や情報システム部門に問い合わせが殺到することは目に見えていました。そこで、WalkMeで解決を目指す方針となりました。
2. 実際にやったこと
当社はConcur ExpenseとConcur Invoiceを利用しているため、2つのマニュアルへのリンクボタンをすべての画面の右上に配置して、いつでもマニュアルを見られるようにしました。次に、使わせたくないボタンを、背景色と同じ色でマスキングし、ユーザーから隠して使えないようにしました。
SAP Concur利用時によく発生する問題が、領収書の添付解除です。SAP Concurでは、一度経費精算レポートを提出すると、添付している領収書を削除できない仕様になっています。しかし実際は差し替えをしたいというケースが多く、問い合わせ対応の負荷が大きくなります。そこで画面上で「レポート自体を削除するか」「精算対象外に置き換えて作るか」を選択できるようにしました。また、ログイン時に全員に対して表示する画面を作り、組織変更に伴い申請承認を終わらせてほしい期日の周知や、法改正情報の連絡などに活用しています。
3. 成果と今後の展望
問い合わせの殺到を懸念しましたが、WalkMeを導入したことで、問い合わせ対応でパンクすることはありませんでした。逆に、問い合わせが多かった項目については、すぐに機能を変えてリリースするなど、改善対応を素早く行えました。ノーコードでスピーディに改善ができる点は大きなメリットです。また差し戻し率が、40%から15.3%まで下げることができています。
SAP ConcurとWalkMe導入により、①システム教育と問い合わせ対策の負荷軽減、②SaaSの標準的な機能やルールと自社機能やルールのギャップを埋めていくこと、③ITリテラシーや社内ルールが理解できていない人へサポート、の主に3点で大きな効果があったと実感しています。今後は、ユーザーを区分して、すでにルールや方法を理解したユーザーにはガイドを出さないようにするなど、さらなる利便性向上に取り組んでいきたいと思います。
(旭化成様のその他の活用事例についてはこちら)
さいごに
今回のセミナーでは、Concur User Assistant by WalkMeについて、ニーズウェル様、WalkMe様、旭化成様からご紹介していただきました。この場を借りて、あらためてお礼申し上げます。
DXが推進される中で、ユーザーのデジタルアダプションを助けるツールの存在は、業務効率化や従業員満足度の向上において必要性が増しています。今後もコンカーは、新たにグループに加わったWalkMe社と連携して、お客様の競争力向上に貢献してまいります。
セミナー後は、参加者による懇親会を開き、ざっくばらんな情報交換が行われました。こうしたインサイトのセミナーは今後も開催しますので、ご興味がある方はぜひご参加ください。