人を動かす力は「思考の筋トレ」で養える!上司が鍛えるべき3つの筋肉とは

Back Office Heroes編集部 |

人を動かす力は、“だれしもが持っている、あるいは持っていた”もの。私たちが赤ん坊のころ、どれだけ大人を動かしてきたかを考えれば、それが本能的な能力であることがわかります。今、その力を発揮できていないと感じているのであれば、思考を刺激し育成すればいいのです。そう、筋肉のように!

本記事では、人を動かす力を刺激・育成することを「思考の筋トレ」と名付け、鍛えるべき筋肉を3つに絞ってご紹介していきます。

 

人を動かす力にカリスマ性や人望は必要ない

前提として、人を動かすのにカリスマ性や人望は必ずしも必要ではありません。それらがなくても、私たちは十分に人を動かす力を習得することができます。そのためには、今すぐ実践できる「思考の筋トレ」を、3つに絞って解説していきます。

 

思考の筋トレ1「聞く筋肉」を鍛える

人を動かすためになくてはならないもの、それは「聞く力」。この筋肉を鍛えることからはじめましょう。

自己啓発本の原点ともいわれる『人を動かす』、その著者であるデール・カーネギーはこう言います。“人の話を聞くことにより、人生の80%は成功する”と。以下、カーネギーの言葉からひも解いていきます。

カーネギーはその著書のなかで、“人を動かすには、相手のほしがっているものを与えるのが、唯一の方法である”と語り、それは何かというと“自己の重要感”と説いています。

つまり、「他者に求め認められ、興味の対象となるべく人間である」ということを伝え(与え)てあげるということ。そのためにはまず、部下がどう認められたいと思っているのかを知る必要がありますが、本人の「話を聞く」ことが、最も正確で早道の方法です。

「話を聞く」と言っても、特別な時間を設ける必要はありません。日常的に行われている報告や相談のなかにヒントがたくさんあります。部下が話しはじめたら、関心を持って耳を傾けてください。口調、表情、話の持っていき方から、部下の考え方やマインドを汲み取ることができるはずです。

また、「聞く」ことで得られるものはそれだけではありません。部下との信頼関係を築き、新しいアイデアにも出会えます。

 

思考の筋トレ2 「自分を出す筋肉」を鍛える

自分を出すとは、あなたのパーソナリティをおもてに表すこと。これについては、さまざまなシーンで発言する機会が多い立場であれば、すでに実行できている場合も多いでしょう。では、なぜあえて挙げたのか。それは、筋トレ1の「聞く筋肉」のある方が見落としがちな筋肉だからです。以下、例を挙げて説明していきます。

聞く力に長けているある上司は、普段から部下を気にかけ、雑談を通じて部下の様子をヒアリングしていました。しかし、質問をしても気のない返事を繰り返すひとりの部下が。上司はその部下に「◯◯君は、自分のことぜんぜん話さないね」と軽い気持ちで言ったところ、彼は声を荒げてこう言いました。

「◯◯さん(上司)も、自分のこと何も話してくれないじゃないですか!」と。上司が部下のことを知りたいように、部下も上司のことを知りたかったのです。このとき上司ははじめて、話を引き出すだけでなく、伝える(与える)ことも大事であると気づいたのです。

部下が何を考えているのかを知るには、部下が話しやすい環境を作りましょう。そのために、まず自分がどのような人物なのか、仕事に関係あることや、時には趣味・嗜好も交えて部下に話してみてください。何気ない会話がお互いの心を通い合わせてくれることがあります。

 

思考の筋トレ3「姿勢を正す筋肉」を鍛える

最後にご紹介するのが、姿勢を正す筋肉です。この筋トレ3だけフィジカルな筋力を指しますが、メンタルにも関係してくる極めて大切な筋肉です。

悪い姿勢は、身体機能のパフォーマンスを低下させるばかりでなく、集中力ややる気、自信を喪失させ、結果的にはメンタルにも影響を与えます。

たかが姿勢、されど姿勢。前述の筋トレ1、2で養った筋肉を最大限に発揮するためにも、この筋肉を養うことは大切です。また、「自信がなさそう」「カッコ悪い」といった外的評価も避けたいところです。

姿勢を保持するためには、抗重力筋(こうじゅうりょくきん)という筋肉が働いています。抗重力筋は、下腿・大腿・腹部・胸部・首の各部前後に張り巡らされ、互いに伸び縮みをしながらバランスを取っています。

これらは、立っているだけのときも座っているだけのときも常に緊張していて、身体のなかで最も疲労しやすい筋肉と言われています。

まずは意識して背筋を伸ばしましょう。そして、筋肉をほぐすストレッチや全身運動であるウォーキング、体感トレーニングなどで筋肉を和らげ強化していきましょう。

姿勢を保つだけでもさまざまな筋肉が機能していることを知れば、おのずと周囲から見られる自分の姿に自信が持てるはずです。

 

まとめ

「思考の筋トレ」はいかがでしたか? おそらく、「すでに知っている」と感じる部分もあったかと思いますが「実行できているか」というと、意外にもそうでもないという方が多いかと思います。

“特別なことをするために、特別なことをするのではない。特別なことをするために、普段どおりの当たり前のことをする”。これはイチロー選手の言葉ですが、当たり前のことを日々積み重ねていくことの偉大さは、シンプルで基本的なことなのかもしれません。

参考: