出張でレジャーも楽しむ「ブリージャー」、取り入れるための注意点とは?

Chika Ando |

~新しい出張スタイル「ブリージャー」、賢く取り入れて楽しい出張体験を!~

海外出張やちょっと遠方の国内出張に行く際、「美術館巡りをしたい」とか「近くの温泉地まで足を運びたい」などと思ったことはありませんか?とはいうものの、結局はオフィス街で美味しいコーヒーショップを見つけたり、地元のレストランを探してご当地グルメを急いでかきこむ、といった人が多いのではないでしょうか。

しかしながら、2017年のSAP Concur内に蓄積された出張・経費データによると、「ブリージャー(Bleisure)」という新しい出張スタイルが全世界で人気になっていることが分かりました。

そこで、今回はブリージャーとは何か?またブリージャー導入のメリットと注意点をご紹介します。

ブリージャー(Bleisure)とは?

「出張(Business Travel)」と「レジャー(Leisure)」を併せた新しい出張のことです。例えば、出張の前後に2,3日追加して、個人旅行を楽しむ場合は、このブリージャーにあたります。このトレンドは全世界的にも顕著に見られ、SAP Concurのデータによると2016年から2017年にかけて20%増加、全世界で220万回以上のブリージャーが実施されており、全出張件数の10%を占めています。

信じられないかもしれませんが、ブリージャーをしているのはミレニアル世代だけではありません。SAP Concurのデータによると、ミレニアル世代がブリージャーをしている傾向は若干高いものの、ジェネレーションXからベビーブーム世代のビジネスパーソンまで、平均してブリージャーを楽しんでいます。

ブリージャーを導入するメリットとは?

出張者がブリージャーを好む理由は、ズバリ、お得に観光を楽しむことができるからです。しかしながら、企業側としてもメリットがあります。

  1. その土地の文化を学ぶことで、ビジネスを円滑に進めることができる:ビジネスの相手からすると、自身の土地の文化に興味を持っている人との方が、話がはずみ、関係構築が容易になることもあります。また、その土地の人の考え方やニーズを知ることは、ビジネスにもプラスになるでしょう。
  2. 出張を楽しんでもらうことで、働き方改革に貢献:忙しい社員に休暇を取ってもらうのは、難しい場合もあります。しかし、出張をきっかけに少しお休みを取って観光をしても良いなら、ゼロからプライベート旅行のプランを立てるよりも簡単で、かつリーズナブルなので、休暇を取るハードルは低くなるでしょう。エネルギーをチャージし、オフィスに戻ったら生産性高く働いてもらえるならば、会社としても嬉しいことです。ブリージャーは働き方改革にも繋がるのではないでしょうか。
  3. 会社への満足度を向上:会社がブリージャーを柔軟に認めることで、会社が社員のワークライフバランスを重視していることを示すことができます。そのことで、長くハッピーに働ける会社であると社員が思えば、優秀な人材の確保にもつながります。

ブリージャーをするなら、まずは出張・経費規程のチェックを

ブリージャーをする出張者が増えるにつれ、企業は出張・経費規程を見直す必要があります。しかし、社員に楽しい出張を経験してもらうチャンスとも言えます。とはいえ、ブリージャーを取り入れるには、企業側、そして出張する側にも注意点が必要です。

  • 企業
    • 社員は規程を認識していますか?:ブリージャーを行う場合について、出張・経費規程に組み込まれていますか?またその規程を社員はちゃんと認識していますか?社員は規程をあまり意識することなく、ブリージャーを計画する可能性があります。是非社員への周知を計画しましょう。
    • 社員の安全をどう守りますか?:ブリージャー中の安全配慮義務を明確にすることがより重要になります。例えば、ブリージャー中に何か発生した場合、会社はどのような対応をとるのかを明確に決めておきましょう。
    • 誰が何を支払うか明確ですか?:誰が何に対して支払うのか?往復の旅費はもちろん、ビジネスで滞在していた期間の費用は会社が支払い、自分のプライベートに使った費用は社員が支払うのが常識です。しかしながら、経費精算は複雑になります。出張がいつで、レジャーがいつなのかを認識し、それを明確に分ける手段が必要です。
    • 誰が何の手配をしますか?:社員が会社のオンラインブッキングを使ってブリージャーの予約をしてもよいか、決めましょう。最近のGBTAの調査によると、78%の企業が時々、もしくはいつでも社員が会社のオンラインブッキング手段を使ってブリージャーの手配をすることを許可しています。
       
  • 出張者
    • 賢く計画しましょう:可能であれば、月曜もしくは金曜にミーティングをセットしましょう。そうすれば、年休を取得したり、出張期間を延長することなく、ブリージャーを楽しむことができます。
    • よりお得に楽しみましょう:もし会社が許可しているなら、ブリージャー期間も併せて出張を手配しましょう。そうすることで、企業割引での宿泊手配となるため、もっと節約できます。84%の企業がブリージャーに企業割引を使ってもよいと回答しています。
    • 行く前に規程を確認しましょう:出張前に、出張規程の確認をしましょう。企業によっては、ブリージャーの規程が厳しく定められている場合があります。経費や出張中の安全について、何がカバーされて何がカバーされないのかを知っておけば、あなたにとっても、企業にとっても、よりシンプルかつ安全にプロセスを回すことができます。

出張規程をブリージャーに適応させることで、社員の福利厚生やワークライフバランスを企業が重要視していることを示すことができます。従業員も仕事に対する満足度が向上し、生産性向上や優秀な人材の確保につながると考えられます。働き方改革の一つの方法として、是非貴社でも取り入れてみてはいかがでしょうか?

SAP Concurでは、ブリージャーも管理することが可能です。詳しく知りたい場合はお気軽にお問い合わせください。