経理にもDX化が必要!DX化を行うメリットと実現する方法とは

社会のデジタル化やテレワーク推進などを受け、あらゆる業種や部門でDXの推進が求められています。なかでも、経理部門のDX化は強く求められているもののひとつです。テレワークが普及しつつあるいまでも、経理部門では紙の書類の処理や押印のために出社することが多いのです。こうした非効率性が、経理部門の課題といえるでしょう。これを解消するには、まずは経理処理をデジタル化し、そこからDXを推進していく必要があります。デジタル化は、DX推進の第一歩です。経理部門のDX化について、その必要性や実現方法、メリットについて紹介します。

経理のDX化とは

DX(Digital Transformation)とは、業務をデジタル化して業務効率化を進め、その結果、組織を変革して顧客に新しい価値を提供し、自社の優位性を確立することです。

経済産業省では DX を以下のように定義しています。

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」

引用元:デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX 推進ガイドライン)Ver. 1.0|経済産業省

上記から経理のDX化とは、経理部門の作業をデジタル化して業務効率を高め、経営の意思決定にかかわるデータ分析などに貢献することだと考えられます。

つまり、単純に業務をデジタル化するだけでは、かりに効率化が進んだとしてもDXとはいえません。効率化のみならず、空いた時間でデータ分析や予実管理に貢献するなどして、より創造性が高く価値のある業務を行うことがDXだといえます。

経理のDX化の現状

しかし現在、経理部門のDX化はまだまだ進んでいません。バックオフィス部門は直接的に利益を生み出すことが少ないため「コスト」とみなす企業が多く、投資の対象としては後回しとされる傾向があるようです。

経済産業省の「DXレポート2」によると、経理のDX化は厳しい状況にあります。約 95%の企業は「DXにまったく取り組んでいないレベル」もしくは「散発的な実施」にとどまっているにすぎない段階だとされているのです。また同レポートでは、コロナ禍においては、書類や伝票類のデジタル化が進んでいないことや、社外からアクセスできないITシステムがあることが、テレワークを阻害する要因にあると報告されています。

これらから、DX推進は進んでおらず、まずは第一歩としてデジタル化を進めることが重要であることがわかります。

参考:DXレポート2(中間取りまとめ)|経済産業省

DX化が進まない理由

企業内でDX化が進んでいない理由としては、次のようなことが考えられます。

  • システムの老朽化(レガシーシステム)
  • レガシー化したシステムを刷新する予算の不足
  • システム更新やDXに対応できるデジタル人材の不足

これらの問題が2025年ごろに顕在化し、日本全体で大きな経済損失につながるとされています。これが「2025年の崖」です。

経理のDX化が遅れるとどうなるのか

経理のDX化が遅れて2025年の崖が防げない場合、経理部門の業務はどうなるのでしょうか。

  • 古いシステムが老朽化・複雑化し、ブラックボックス化する

古いシステムは通常、自社独自の開発がなされていたり、独特のインターフェースになっていたりします。なじみのない人は使いにくく、作業の属人化が進みがちです。また、作業はできても業務が非効率的になり、データの活用も進まないでしょう。

  • 古いシステムでは能力が劣る

処理能力に限界があるためデータを活用できず、変化の激しい社会において市場の変化に対応できません。また、サイバー犯罪や事故・災害によるトラブルが防げないといった問題点もあります。

  • 伝票処理など人手の必要な作業が多く、人手不足が続く

作業効率が悪くなると、日々の業務をこなすのに手一杯で、新しい業務や創造的な業務ができません。経理処理の遅れによりデータの活用や分析まで行うことができず、経営判断の遅れにもつながりかねません。

  • 業務のデジタル化が進まないと、テレワークにも対応できない

古いシステムはクラウド化に対応していないことも多く、そのような場合は出勤が必須となります。そのままでは多様な働き方に対応できないため、社員のモチベーションも下がる懸念があります。

経理のDX化を実現するには

経理のDX化を実現して上記の課題を解決するには、次のような部分から業務改革を進めていくとよいでしょう。

  • 作業のペーパーレス化

帳票類やその処理をデジタル化し、取引や連絡もオンラインで行います。ワークフロー全体をデジタル化できるとより効率的です。

  • 印鑑のデジタル化

電子印鑑やデジタル証明書を導入することで、帳票類のデジタル化に対応しやすくなります。不要な押印作業を廃止するという方法も効果的です。

  • システム導入

経費精算システムの導入により、経理処理をデジタル化します。経費データの作成・管理も容易になり、決算作業も大幅な効率化が可能です。システムを導入すれば経費申請や承認のワークフローも見直しできて、多くの社員の手間を省くことが可能です。

  • データ連携

システムを導入することで、経理処理上のデータ連携が可能になります。例えば、経費精算システムと交通系ICカードとを連携すれば、交通費のデータが自動的に経費精算システムに入力され、作業量を減らすことが可能です。

経費精算、販売管理・製造管理・会計などの複数のシステムを連携すれば、より大きな業務効率化が可能です。

システムを導入することで、経理部門は経営状況の分析・可視化・提案などの、より高度な業務を遂行できるようになるでしょう。システム導入で業務効率化が進み、空いた時間をデータ分析やレポート作成などの業務に充当できるからです。経営陣は、必要に応じて経営状況を確認でき、現状把握をしやすくなります。

これらの業務改革を実現するためには、業務や部門ごとに分かれたシステムではなく、全社的に一貫性のあるシステムの構築が必要です。

経理のDX化のメリットと注意点

経理部門のDX化には、次のようなメリットと注意点があります。

経理のDX化のメリット

  • 業務効率化

業務のデジタル化により、作業の自動化、入力の省力化が進み、大きな効率化が可能です。また、紙の証憑類と比較して、デジタル化したデータは保管が容易です。保管後の検索性も向上します。

  • コスト削減

ペーパーレス化により、紙代や印刷時のトナー代などを削減できます。

  • 労働環境の改善

業務の効率化により、作業時間を削減できます。繁忙期の過労働も防止でき、労働環境を改善します。また、残業代の抑制も実現可能です。

  • 作業の属人性の解消

使い勝手の良いシステムを導入すれば、業務の標準化が可能になります。そのため、特定の社員でなければできない作業を減らすことができます。

  • テレワークの導入

デジタル化が進めば、領収書や請求書の受け取りや、承認印を押すために出社する必要がありません。経理部門でもテレワークを導入でき、働き方改革が促進できます。

経理のDX化の注意点

  • 社内周知や取引先への説明が必要

帳票類のデジタル化や、システム導入によるワークフローのデジタル化は、多くの社員に関連する業務です。そのため、新たなルールや導入時期を確実に周知する必要があります。また、デジタル化の影響を受ける取引先には丁寧に事情を説明し、理解を求めなければいけません。

  • 情報共有を積極的に進める

システムやデジタル化を経理部内で定着させるためには、新しい業務方式を部門全体で共有する必要があります。マニュアルや社内ルールなどを明確にしたうえで情報を共有しましょう。

  • 適切なシステム・ツールを選定する

経費精算システムは、ツールによってさまざまな特徴があります。選定する際は、それを導入して本来の意味であるDXが推進できるのかが何よりも重要です。また、事前に欲しい機能や求めるサポートレベルを明確にしておきましょう。

  • セキュリティに注意が必要

サイバー攻撃による情報漏えいといったリスクに備え、紙の伝票とは異なるセキュリティが必求められます。セキュリティ対策の充実したシステム・ツールを選ぶことも重要ですが、社内のITリテラシーを高めておくことも必要です。

経理部門のDXの事例

  • 株式会社日本ピーエス(建設業)

DX推進の第一歩として、大きな課題であった経費精算業務の改善を目指すことにしました。現場での仮払いや支店での出納管理、本社・支社間のやりとり、伝票処理のための出社などの事務作業に問題が多かったことが理由です。

Concur Expense を導入して、本社・支社間で2系統あった経費精算の仕組みを統一し、簡素化しました。また、Concur Expense導入によってペーパーレス化を進め、法人クレジットカードの導入や社内規定の改善も行った結果、全社の省力化が実現しました。導入して2ヶ月で、すでに手応えを感じているとのことです。

参考:株式会社コンカー「DXの効果を実感できる取り組みとして Concur® Expenseで経費精算を改善 全社でDX推進への意識を芽生えさせる

  • 日本郵船株式会社(運輸業(海洋運輸))

DX推進に着手しはじめたころ、若手メンバーの要望で、すでに海外拠点で導入されていたConcur Expenseを導入しました。同社は、社員全体にConcur Expenseを積極的に利用してもらうため、さまざまな工夫をしました。導入プロジェクトのメンバーをボトムアップ型で募集したこと、導入の目的や導入効果を社内に周知したことなどが該当します。

その結果、テレワークに切り替わっても問題なく導入プロジェクトが進行し、本格的な運用が始まりました。

運用開始後も継続して改善を繰り返して、ほかのDX施策や全社的な働き方改革の推進を目指しています。

参考:株式会社コンカー「経費精算の電子化で業務の効率化を実現し、社員に対してDXの価値のアピールに成功。SAP® Concur® 導入がDX推進の第一歩に!

  • キーコーヒー株式会社(飲食業)

業務改善の第一歩としてConcur Expenseを導入しました。それまでは、毎週金曜日になると経費精算の順番を待つ社員の行列ができていました。また、申請内容には不備も多かったため、限界を感じていたのです。

Concur Expenseを導入し、法人向けクレジットカードや交通系ICカードなどからデータを取り込むデータ連携によって、経理部門の業務負担が大幅に軽減されました。さらに、監査ルールやBIレポートの活用によりガバナンス強化の効果も得ています。

参考:株式会社コンカー「Concur Expense による精算業務効率化で金曜恒例の“精算待ちの行列”を解消。小口現金取り扱い額も1年で半減。

経理DXの推進には、まずは経費精算のデジタル化を

経理業務は、バックオフィス部門なのでDX化が後回しにされている企業が多いかもしれません。しかし、経理処理は比較的デジタル化しやすい業務です。経費処理はすべての社員に関係するため、経費処理のデジタル化は企業全体に影響を与えるといっていいでしょう。

経理DXの第一歩としては、経費精算のデジタル化、システム導入がもっとも近道です。2025年の崖までに結果を出すためには、1日も早くとりかかる必要があるでしょう。

経費精算のシステム化には、Concur Expenseのような経費精算システムを利用することをおすすめします。日本企業への導入事例も多く、経理DXをうまくサポートしてくれるでしょう。

経理部門のDX化については次の資料をご覧ください。

【間接費業務からはじめるDXとは】

また、DXの過程で経理部門にテレワークを導入する場合は、次の資料をご覧ください。

【どうやって実現する?!経理・財務のためのテレワークガイド】

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