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「大人の社会科見学」レポート:JBS様が教えてくれた、"行きたくなるオフィス"と人への投資が生む力
コンカーでは「大人の社会科見学」と題した取り組みを行っています。お客様やパートナー様のビジネス・文化を肌で感じることで、共に成長する関係を築こうという取り組みです。今回は、パートナーとして長年ご一緒している日本ビジネスシステムズ株式会社様(以下、JBS)を訪問させていただきました。
虎ノ門ヒルズ ステーションタワーに構えるJBSのオフィスは、入った瞬間から「ここは普通のオフィスではない」と感じさせてくれます。今回は人事・総務ご担当の皆さんにインタビューをさせていただくとともに、社員食堂「Lucy's(ルーシーズ)」の見学も行いました。その内容を、たっぷりとお届けします。
"親しみやすく"という理念が、オフィスのすみずみに宿っている
JBSの企業理念は「優れたテクノロジーを、親しみやすく」。お客様にとって真に必要なテクノロジーを見極め、導入から使いこなせるようになるまで伴走することで、お客様のビジネス変革を支援しています。東証プライム市場上場企業として、本社に加え、国内5拠点・アメリカを始め海外にも5つの子会社を持ち、従業員数は約2,800名。社員の8割弱がエンジニアというプロフェッショナル集団です。
注目すべきは、この「親しみやすく」という言葉が単なる理念にとどまらないことです。お客様に提供するものは、まず社員自身が徹底的に使いこなす。コンカーを含むクラウドサービスについても同様で、一ユーザーとして体感した上でお客様に提案するというスタンスを「リアルショーケース」と呼んでいます。そして、社員食堂や社宅、トレーニングセンターといった充実したファシリティも、すべてこの理念の体現だと、広報室担当執行役員の岩本様、室長の加藤様がお話してくださいました。
「社員をもてなす、という気持ちが創業社長の牧田にはもともととても強くあって。旧オフィスでも温かいコーヒーが常に自由に飲めるようになっていたり、毎日夕方になると軽食が用意されていました。今の『Lucy's』は、牧田がずっと作りたかった夢が叶ったものなのです」
そう語ってくれた言葉には、長年会社を支えてきた社員ならではの愛着と誇りが感じられました。
社員食堂「Lucy's」は、コミュニケーションを生む"戦略的投資"
今回の見学で最もインパクトがあったのが、社員食堂「Lucy's(ルーシーズ)」です。東京・名古屋・大阪・福岡の4拠点に展開されており、社員と一緒であれば お客様や取引先、さらにはご家族や友人も利用できる開かれた場となっています。レストランだけでなく、焼き立てパンを販売しているカフェも併設されています。
今回見学した「Lucy's Tokyo」では、ランチメニューは5種類の週替わり+日替わりで提供され、「気に入ったメニューがあると毎日来る社員がいる」というほどのクオリティ。そして、金曜日には一般のパン屋顔負けの高級食パンが数量限定で販売されるといいます。
「『Lucy's』に来ることも出社のきっかけになります。カフェやパンコーナーを利用する人同士が自然と話すようになって、チャットよりもずっと深いコミュニケーションが生まれる。仕事仲間とおいしい食事を楽しみながら気の置けない会話をして信頼関係を深める。当社ならではのユニークな仕組みだと思っています」
なんと、「Lucy's」は社長自らがメニュー開発会議に参加し、「胃袋をつかむ作戦」を日々考えているとのこと。経営トップがコミュニケーションの場所づくりにこだわりを持つ。これがJBSの文化なのだと改めて感じさせられました。
また、コロナ禍においてもLucy'sを閉じなかったという話は特に印象に残りました。
「管理された安全な環境で、誰が来ているかもわかっています。特に新入社員や社宅に住む若い社員が一人でうつうつとしないよう、食事ができる状態を維持しました。来れば誰かと会えるという安心感が大切だったのです」
単なる食事の場ではなく、社員の心身のケアまで考えられた「コミュニケーションの場」であることがよくわかります。
「オフィスを作っていない」——行きたくなる場所という発想
GA本部 総務部長 佐藤様の言葉が、非常に印象的でした。
「JBSは通常の意味でいうオフィスを作っていません。『オフィス=仕事しに行く場所』ですが、当社の発想は違う。どのような場所だと仕事がしやすいかは人によって違いますから、純然たる仕事をするだけのオフィスなら、作らない方がいい。行きたくなる場所、遊びに行く場所ぐらいの感覚で発想しました」
自宅の方が集中できる人もいる。それなら、オフィスには「つながりを創りに来る場所」「チームと連携しやすい環境を創りに来る場所」としての意味を持たせるべきだという考え方です。在宅と出社を柔軟に選べる制度を設けながらも、社長が「コミュニケーション爆増」を掲げ、顔を合わせて会話することの価値を文化として大切にしています。
現在の出社率は平均すると席数の5〜6割ほど。雨の日にはっきり下がるという、人間らしい動きも見えるのだそうです。フリーアドレス制を取りつつも部門ごとのゾーニングで「誰がどこにいるか」をわかりやすく。個別のブースも充実しており、出社しても集中して業務を進められる環境も整っています。
人的資本投資が、35年の成長を支えてきた
JBSの人的資本投資は、オフィスだけにとどまりません。自社のトレーニングセンターでエンジニアのスキルアップを支援し、約25棟の社宅を用意して若手社員が安心して働ける住環境を整備。「社員が最大限にパフォーマンスを発揮できるよう、生活の土台ごと支えたい」という姿勢が貫かれています。
その成果は数字にも表れています。かつて9.2%あった離職率は現在6.8%(2025年9月期実績)まで低下し、安定を維持。売上高は設立から35年間、順調に成長し続けています。
「直接的に立証できるわけではないですが、人的資本投資は間違いなく事業成長に貢献していると思っています。他の企業が効率化や開発投資に振り向けるところを、当社は社員に手厚く投資し続けている。人的資本経営という言葉がない頃から大切にしていることです」
「いい環境で働くことがいい仕事につながる」という創業者の哲学が、長い時間をかけて組織の文化として根づいていることがよくわかります。
「高め合う文化」を仕組みで作る——フィードバックという贈り物
今回の訪問では、コンカーのCCO(チーフカルチャーオフィサー)である田中から、コンカー自身の取り組みをJBSの皆さんにご紹介する場面もありました。
田中がまず共有したのが、ハーズバーグの二要因理論をもとにした「働きがい」の考え方です。「オフィスの充実や福利厚生(衛生要因)は満たされないと不満になるが、満たされても働き続ける動機にはなりにくい。成果の認知や成長実感(動機付け要因)も合わさってこそ、人が働き続けたいと思うエネルギーになる」——JBSの取り組みを見て大いに共感しながら、コンカーが実践してきた考え方を重ねました。
「働きやすさ」と「やりがい」の両方を実現してこそ、真の「働きがい」が生まれる。この考えのもと、コンカーでは「フィードバックし合う文化・教え合う文化・感謝し合う文化」という三本柱で組織文化を醸成しています。
全社員にフィードバック研修を実施し、上司から部下だけでなく縦横斜め全方位にフィードバックを伝え合う文化を育てています。ポジティブフィードバックと、ギャップフィードバックと呼ぶ改善提案の割合は9対1を目安に、日常的なコミュニケーションの中で継続的に実践します。評価の時期だけに集中するのではなく、日頃の接点を密にしながら「あなたの仕事を見ていますよ」というメッセージを伝え続けることが大切だと田中は語ります。
また、半期に一度、社員の投票によって「ベストフィードバッカー」を選出し、年2名を表彰する仕組みもあります。「単にいいねと言うだけでなく、その人の行動変容をもたらしたエピソードと共にノミネートする。忖度なく、ガチの投票です」という言葉が印象的でした。
そして、この文化醸成を専任で担う「チーフカルチャーオフィサー」という役職の存在も、コンカーならではの特徴です。田中自身、もともと文化醸成の有志活動に携わる中で「もっと力を注ぎたい」と感じ、専任担当を自ら願い出てその役職名を提案したといいます。また、社内には有志で活動する「文化部」があり、毎年メンバーを変えながら活動を続け、採用資料にも掲載されるほどの存在感を持っています。コロナ禍にはラジオ番組を制作・放送し、リモートワーク中の社員のアイスブレイクを生み出したというエピソードも、文化を大切にする組織らしい話です。
JBSの「社員をもてなす」という哲学と、コンカーの「高め合う文化」——アプローチは異なりながらも、「人を大切にすることが、組織の力になる」という信念は深く共鳴し合っていました。
Lucy'sを堪能!——噂の看板メニューに胃袋を掴まれる
夜、コンカー代表の橋本をはじめコンカー社員が多数合流し、昼間に見学させていただいた「Lucy's」にて懇親会を行いました。日が落ちると、東京タワーを臨むビル群の夜景が美しく広がり、雰囲気が一変。まるで高級レストランのような落ち着いたムードに包まれていました。
JBSの皆さんから「本当に美味しい」とご紹介いただいていた、看板メニューの麻婆豆腐は本当に美味しく大人気で、提供コーナーには行列ができるほど。多くの社員がその味を楽しんでいました。
また、普段はなかなかゆっくり話す機会の少ない他部門の社員同士の交流も大いに盛り上がり、終始和やかな時間になりました。
「コンカーにもこんな空間があったら…」と思わずうらやましく感じるほど、心に残るひとときとなりました。

「大人の社会科見学」を終えて——「大事にされている」という実感が、人を動かす
今回の訪問で、最も強く感じたことがあります。それは、「社員を大事にする」という言葉が、JBSではリアルな体験として社員一人ひとりに届いているということです。
社員食堂、社宅、トレーニングセンター——これらは単なるコストではなく、「あなたのことを考えています」というメッセージそのものです。コロナ禍にも食堂を閉じなかった判断も、社長がメニュー会議に出席するエピソードも、すべてそのメッセージを形にしたものでした。
「Lucy'sだけを見ると『ここまでしますか?』と思われることもある。でも、私たちが伝えたいのはなぜそうしているか、なんです」
その「なぜ」の答えが、コンカーのコアバリューの「Happy-Happy」とも深く響き合うように感じました。お客様の幸せが私たちの幸せ。それはまず、自分たちの社員が幸せであることから始まるのかもしれません。
JBSの皆さん、素晴らしい時間をありがとうございました。Lucy'sの食パン、ぜひ次回は金曜日に狙いに行きたいと思います!