撮影やスキャンをした後の領収書はどうすればよいですか?- e文書法/電子帳簿保存法に関する質問

e文書法/電子帳簿保存法に関して、よく聞かれる質問とその回答をまとめました。領収書を撮影やスキャンして電子化した後、紙の領収書をどうしたらよいか、迷う方が多いようです。以下では、その回答について、みていきましょう。

質問:撮影やスキャンをした後の領収書はどうすればよいですか?

回答:不正防止やコスト削減、紙の原本の紛失リスク、電子化の徹底を図る目的から、廃棄を強く推奨します。

上記質問と同様、「画像で残すこと自体が不安なため、撮影やスキャンをし、電子化した領収書の紙の原本を保管し続けようと思うのですが、問題ありませんよね?」というような質問もよく受けることがあります。

確かに、電子帳簿保存法上、紙の原本を残しておくことは違法ではありません。しかし、電子化を開始する目的を、再度思い起こしてみましょう。

紙の原本の取り扱いついては、以下のような手間やコストがかかっています。

  • 従業員が糊付けして提出するための手間(領収書の場合)
  • 紙の原本を回収して、保管するための手間 
  • 保管に必要なコスト
  • それら全体にかかる輸送コスト

加えて、紙の領収書を紛失した際の、従業員に対する経理担当者の対応作業の負荷も考えられるかもしれません。それらをなくすために、電子化を検討することが一般的であると考えます。

電子化を行うためには、少なからず、システム投資や人的な工数(事務処理フローの検討や社内での調整ごと等)が発生します。その上で、従来通り紙の原本を保管し続けるとなると、単純に考えて、二重コストになってしまいます。

また、紙の原本を残したままにしておくと、その原本で再度経費精算を行うような不正が発生する可能性があるため、紙の原本を回収し、廃棄することで、不正防止の内部統制を徹底することもできます。

「コストをかけてでも、紙の原本を保管した方がメリットがある」という場合でなければ、電子化を行う以上、やはり廃棄を前提とした業務改善、いわゆる「ペーパーレスへの取り組み」を行うことが、望ましいと考えます。

紙の原本は紛失するリスクもあるため、何らかの情報が流出するリスクも否定できません。何より「紙の原本がある」という安心感から、電子化の徹底が現場まで浸透せず、いつまでたっても 正しい運用ができない可能性もありますので、さまざまな観点を総合し、やはり、領収書の電子化完了後、すなわち撮影やスキャンをした後の領収書については 紙の原本は廃棄することを推奨します。


領収書の電子化及び紙の原本破棄に関する詳細は、「電子帳簿保存法はこう活用する!領収書・請求書電子化完全ガイド」をご覧ください。

電子帳簿保存法はこう活用する!領収書・請求書電子化完全ガイド

対応要件から実際の実務ポイントまでをわかりやすく解説

<プロフィール>

細田 聖子(ほそだ せいこ) 公認会計士・税理士

2012年、公認会計士登録。2016年、税理士登録。1999年から香港留学。2003年から2008年まで、上海でOL、日本語教師等の中国勤務。2010年、公認会計士試験論文式試験合格。2012年より、中国深センの会計事務所等を経て上海勤務となるも、2015年、乳がん告知により帰国。日本で治療をしながら大阪の税理士法人に所属。2018年5月に独立し、フリーランスのライターとして執筆活動など様々な業務に従事。

(執筆:細田聖子)

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