導入事例
【イベントレポート】SAP Concur 地域金融機関情報交換会 in Fukuoka
2025年8月22日にイベント「SAP Concur 地域金融機関情報交換会 in Fukuoka」(主催:株式会社コンカー)を開催し、8金融機関15名様にご参加いただきました。当日は株式会社しずおかフィナンシャルグループ経営企画部課長 松下 一水氏より、しずおかフィナンシャルグループの企業概要を、同じく経営企画部課長 鈴木 世津子氏より、SAP Concur採用の背景をお話いただき、質疑応答を行いました。その後、SAP Concur導入・展開プロジェクトについてご説明いただき、最後に導入した結果や今後コンカーに期待することなどをお聞きしました。
その後、エンゲージメントサービス部マネージャー横山から、承認レスの対象範囲と承認レス実現のための段階的アプローチについて紹介しました。
本ブログ記事では当日の様子をご紹介します。
【冒頭挨拶】本日のテーマについて
冒頭、株式会社コンカー 高橋より開会挨拶を述べました。
このイベントは、地方銀行や信用金庫の皆様にお集まりいただき、地域の金融機関様のバックオフィスの業務全般の課題や取り組みなどの相互の意見交換を目的としたものです。静岡銀行様や京都中央信用金庫様など、すでにSAP Concurをご採用いただいており、その意見交換だけではなく、その活用状況なども今日の場のコンテンツとしてご準備しております。前回12月に開催した一回目以上に有意義な時間になることを目指しております。
最後にご参加いただいた静岡銀行様、中国銀行様、広島銀行様、福岡銀行様、山陰合同銀行様、京都中央信用金庫様、ソニー銀行様、松本銀行様より一言ずつご挨拶をいただきました。
【事例セッション】SAP Concur導入の背景と効果

続いて、株式会社コンカー カスタマー&ソリューション統括本部 カスタマーサクセス本部 第一部 シニアカスタマーサクセスマネージャー 長島 洋希がモデレーターとなり、株式会社しずおかフィナンシャルグループ経営企画部課長 鈴木 世津子氏、同じく課長の松下 一水氏と、、株式会社コンカー サービスデリバリー本部デプロイメントサービス部 コンサルタント 風間 尚子でSAP Concur導入の背景と効果について紹介、セッションをいたしました。
ご参加いただいた銀行様からもさまざまな質問があり、活発なディスカッションが繰り広げられました。
しずおかフィナンシャルグループ企業概要
(長島)まず、最初に企業概要の紹介をお願いいたします。
(松下氏)しずおかフィナンシャルグループは静岡銀行の持ち株会社として2022年10月にできました。従業員は約2600人、別にグループ会社で1500人ほどという規模感になります。拠点数は静岡県内、県外で200店舗ほどある状況です。現在SAP Concurを導入していますが、静岡銀行グループでは正社員一人ひとりにスマートフォンが貸与されており、それを使って経費精算を行い、業者への支払いについては各支店の経理担当がインボイスの機能を使って対応している状況です。
2023年の10月から静岡銀行で稼働を開始し、稼働が安定化するのを見ながら、そこから約一年後にグループ展開するプロジェクトが始まりました。2025年の4月にグループ展開が始まり、現在静岡銀行と子会社8社、持ち株会社の合計10社で利用している状況です。
SAP Concur採用の背景
(長島)今回採用を検討していただいた背景を伺いたいと思います。
(鈴木氏)導入前の話から簡単に説明させていただきます。昔は伝票を切って勘定系に連携する機械をオペレーションして、経費の出金と従業員への振込、業者への振込を行っていました。領収書は科目によって、上長の承認以外にコンプライアンス担当者からの押印や第三者の確認が必要といった規定がありました。実際のオペレーションは、各営業店が伝票を起票した後に、集中センターに伝票が回り、集中センターの方でオペレーションを行って振込処理という手続きでした。
元々静岡銀行は経費システムを何も導入しておらず、自前で行っていましたので、そろそろ外のシステムを導入しないかという話があがった矢先に、インボイス制度や電子帳簿保存法などの制度が先に走ってきたため、本腰を入れて導入を検討し始めたのがスタートになります。制度改定が間近になってきて、ペーパーレス対応を解消できるシステムはあるのか、インボイス制度で登録事業者番号の管理をどうしたらよいか、などを検討する必要があり、いくつかのベンダーを比較検討した結果、今に至ります。
SAP Concur採用の理由
(鈴木氏)最終的にSAP Concurを採用した理由は、他社でもそういった仕組みはありましたが、当時は交通系のICカードの連携や、法人カードのデータの連携が可能ということで、かなり出張精算の効率化が図られるというのがまず1つありました。
あとはガバナンスの観点で、ほとんどのベンダーは経費精算の仕組みを利用したらそれで終わりでしたが、毎月一回各支店の従業員別に立替経費はいくらで何回あった、といった分析結果を各支店に還元する機能があり、ガバナンスの強化が図られることが大きかったかと思います。ネックだったのは費用で、SAP Concurは高いですが、伝票を起票してオペレーションして領収書を保管してという一連の作業が、今回導入することによってどのぐらいの時間と人件費が削減されるのかというのを考えて、導入した結果、集中部署の業務をなくすことに成功しましたので、ここにかかった人件費などをSAP Concurのランニング費用に回せるという結論になりました。
あとは申請者が申請をして、承認者が現状原則一人が承認することによって、勘定系まで連携できる一気通貫処理の仕組みを作ることに成功しましたので、この機能を使えば効率化がかなり目で見て分かるものになったように思います。
(長島)他社のシステムとの比較でいろいろな項目に〇×△をつけていただいていますが、この中で最重要ポイントはどちらになりますか。
(鈴木氏)BI分析ツールのようなものがあったのと、請求書の電子化で、インフォマートのBtoB請求書プラットフォームという電子請求書と連携しているのが大きな点です。
SAP Concur採用についての質疑応答

(ご参加者A)SBCといわれるバックオフィスの業務をやめられたということだと思うのですが、そこでやられていた業務は何かに代替されたのか、完全に送らないというご判断になったとか、もう少しそこに至った経緯を共有していただければと思います。
(鈴木氏)オペレーションはなくして、伝票が合っているかどうかは営業店の申請者と承認者の判断に任せています。領収書の台紙の保管は、業務そのものがなくなりました。
(ご参加者B)BtoBの項目を入れたことで、営業店の業務で楽になっていることはありますか。営業店に全ての入力を任せると、当銀行では国税要件に合ってないものが増えるリスクを取れないのが現状ですが、そのあたりは担保されているということですか。
(鈴木氏)スキャンの保存の基準やスキャンの違反までは正直確認は取れていませんが、BtoBはそういった確認が不要なのでかなり楽になっているはずです。
(ご参加者B)BtoBはお客様にお願いして使わないといけないということですか。
(鈴木氏)そこが少し大変なところで、BtoBで来たものを営業店で確認して、次のSAP Concurで処理する人に行くところまで持っていければと思っています。
(ご参加者C)営業店から全部業務をカットしてしまいたいというニーズがありますが、営業店で完結させるのがいいのか、本部で引き取ってしまうのがいいのか悩ましいところです。
(長島)このあたりを決める裏に企業風土や文化というものがあったりするので、一概にどの事例が正解というものはないと私たちも思っております。幅広くどちらにも対応できるということは、今回お伝えさせてください。
SAP Concur導入 プロジェクト概要
(長島)導入プロジェクトの概要のところをコンパクトにお願いします。
(鈴木氏)2022年の9月に承認をいただき、コンカー、オービック、SIS他、多岐にわたってマルチベンダーでの開発作業になりました。一年間かけて2023年の10月に稼働にこぎつけましたす。
(長島)他の部門の方も導入時に巻き込みながら進めていくことを意識されていらっしゃったと聞いております。
グループ展開 プロジェクト概要
(長島)SAP Concurの稼働から一年ぐらい経ったところで、グループ展開を進めようとされたと思いますが、その背景やプロジェクト概要、目的のところをお聞かせいただけますでしょうか。
(松下氏)静岡銀行が持ち株会社に移行した2022年から、グループ経営を強化させようという経営側の意向も強くあり、SAP Concur導入のタイミングでゆくゆくはグループ会社全体で使えたらいいという上層部の声もあったため、グループ展開は自然な流れだったというのが前提にあります。
元々はSAP Concurを使って経費精算のフロントの部分が楽になればと思っていました。SAP Concurを入れることで、元々使っていた勘定奉行クラウドから移行してOBIC7の中で財務情報もグループ全体で同じ基盤に乗せられて、情報管理やシステム管理などのコストが下がって効率化にもつながるといった期待も持ちながら、あわせて会計システムの統一化も行ったというところです。あとは、銀行と同じようにSAP Concurのフロントで情報を入れたら、一気通貫で振込業務をWeb-PCによって自動で行われるといったことが実現できました。
(長島)プロジェクトの内容、スケジュールについてはフォロー担当の風間から簡単に説明させていただきます。
(風間氏)持ち株会社含む9社のグループ展開について、コンカーだけのスケジュールですと、2024年の年内までに要件定義やテストを含めて終えるというスケジュール感で進めました。グループ9社のSAP Concur稼働に向けたユーザートレーニングやマニュアルの整備といった準備をしていただくのが2025年の前半のスケジュール感で、4月に一斉にSAP Concurの利用開始と会計システムの統合を進めてきて、予定通りプロジェクトは終了しています。
具体的な進め方について、グループ展開するときは、だいたい経費精算や請求書処理に伴うテーマをラインナップして、そのテーマごとに大体4回から6回ぐらいのグループ会社向けのセッションを行って導入をしていきます。静岡銀行様は使われているベースがあるものに対してどう作っていくかというセッションになるので、新規導入よりも少し時間が短いですが、大体はテーマごとに区切ってセッションをして導入展開という形になります。
今回9社の展開が最短でスムーズにできたのは、土台がシンプルに運用設計されていたというのが大きなポイントかと思います。
プロジェクトを進める上で苦労したこと
(長島)グループ展開のプロジェクトとしては、全体にシンプルに効率的にできたというところではありながら、その中でも導入の面で進める上での苦労があったでしょうか。
(鈴木氏)SAP Concurで吐き出されたデータを、変換して勘定系に持ってこられるようにできるベンダーさんが限られており、オービックさんで連携ができるか相談し、開発していただいて進めることができました。そういった点で、ベンダーが多かったのは大変でした。
(長島)私も、オービックさんと私たち以外にも複数の外部の会社様が入っているプロジェクトだったので、この一年間スケジュールが詰まっているのを横で見ていました。結果的に一気にできたものの、やっている最中はバタバタでしたので、逆に長くはなるけれどもそんなに力をかけなくてもできるなど、やり方次第かと思います。
プロジェクトの効果 想定内・想定外のこと
(長島)導入してみて効果はいかがでしたでしょうか。
(松下氏)想定内のこと、想定外のこともいろいろありますが、個人的に印象が強いのは、スマートフォンでの完結や業務効率化は、若い方は慣れていて簡単になったという喜びの声がありよかったと思いました。一方で年配の方はこれまでのやり方を変えたくないという声もありました。規定も変え、システムも入れたので、銀行全体がこういったやり方に変わっていくことを、しっかり啓蒙していく必要があると導入してみて感じました。
これからのSAP Concurに期待すること
(長島)今後期待することはありますか。
(松下氏)SAP Concurの強みとしてガバナンスのところのBI分析ツールがありますが、使いこなすまでが難しいということがあります。
(鈴木氏)マニュアルを見ながらやってもらうのは限度があり、最初の導入は非常に混乱を極めたのは事実です。もう少し大衆化してみんなが使いやすい仕組みになるとよいと思っています。
(長島)いただいたお言葉を少しでも変えられるように、コンカー一同頑張ってまいります。
【コンカーセッション】承知レス検討の第一歩- 承認レス対象と事後チェックについて -
株式会社コンカー サービス統括本部 サービスデリバリー本部 エンゲージメントサービス部 第3グループ マネージャー 横山 真吾 から承認レスの対象範囲と承認レス実現のための段階的アプローチについて紹介しました。
承認レス対象範囲定義の一般的な考え方
(横山)承認レスとは、経費精算レポートに対するワークフローの中でのスキップルールをどう定義していくかという考え方となり、どういった明細構成のレポートを承認レスとするかを定義することが、承認レスの検討の第一段階になります。
コンカーでおすすめしているのは、どのような目的のレポートであれば承認レスとするといった利用目的から考えていくホワイトリスト型手法です。一般的な難易度として、ICカード連携といった近距離交通費は低く、交際費といったガバナンス的な担保が難しいものが高くなります。
経費精算レポートを構成する明細の目的でまず考えていただき、さらに近距離交通費の中でもICカード利用のものだけ承認レスとする、あるいはもう現金を含めて全て経費精算レポートについては承認レスとしていいかどうかといったように段階的に検討をしていただくとある程度範囲が絞れてくるというのが、対象範囲になります。
承認レス実現のための段階的アプローチ
(横山)コンカーの承認ワークフローには各承認ステップがあり、一般的な事例では大きく2種類の承認者が配置されています。一つは業務上の上長で、申請者が利用した経費が業務上適切かどうかという観点で見ます。もう一つが経理担当あるいは総務の方で、経費の利用されている内容自体が適切かどうかというチェック、あるいは企業ごとの規定に対し適切かというチェックをします。
承認ステップごとの中で承認者に何をチェックさせるかがあいまいになっている企業様もしばしばいらっしゃいます。チェック項目や条件を明確にしたうえで、監査ルールでのチェックで防ぐことができないか、あるいはConcurAuditでチェックさせるといった考え方をおすすめしています。
承認レス化へのアプローチとしては、まず近距離交通費での承認レスからスタートすることをおすすめしています。近距離交通費の承認レスがある程度できるようになってきたら、国内旅費出張費も承認レスとして拡大していき、次にその他の経費についても承認レスを進めていくように段階的に承認レスを広げていき、承認負荷を最大限減らしていく手法を推奨しています。

さいごに

最後に、コンカーの長島より、お話いただいた鈴木様、松下様にお礼を申し上げ、閉会の挨拶とさせていただきました。イベントの終了後、ご参加者には簡単なアンケートにもご協力いただきました。アンケートにお答えいただいた方全員に満足(満足もしくはやや満足)とやや満足と回答いただきました。次回も参加したいとお答えいただいた方も多く、大変励みになりました。お答えいただいた皆様、ありがとうございました。
また、参加のお客様から多くのコメントをいただきました。以下に抜粋してご紹介いたします。
- 「 静岡銀行様の具体的な取り組みや考え方についてのお話が非常に参考になった。」
- 「あっという間の時間でした。」
- 「 グループディスカッションは非常に有意義な時間でした。」
コンカーでは引き続きこのような情報交換会を実施してまいります。今回ご参加いただけなかった方も、ぜひ次回のイベントにご参加ください!