経理・総務の豆知識

IT リーダーが成長を促進し、サイバーセキュリティを強化するための実践的な戦略

SAP Concur Japan |

テクノロジーが急速に進化し続ける中、IT リーダーは、増大するサイバー脅威に対する防御から、期限内かつ予算内でのテクノロジーの導入まで、数多くの課題に直面しています。ここでは、IT リーダーがこれらの課題を克服し、成長を加速させるための実践的な戦略についてご紹介します。 

AI を導入し、業務効率と収益創出を実現 

人工知能 (AI) により、IT リーダーが業務効率とデータインサイトに取り組む方法は変化しつつあります。2025 年に CFO インサイトの一環として行われた IT リーダーを対象としたグローバル調査によると、このグループは、業務効率の向上だけでなく、収益の創出にも役立つ AI イニシアチブにますます重きを置くようになっています。AI の導入により、IT リーダーが得られる主なメリットは以下のとおりです。 

  • 業務効率の向上 (46%) 

  • データインサイトとアナリティクスの強化 (42%) 

  • 意思決定の改善 (38%)  

ただし、AI を活用したソリューションを導入する際には、足かせになったり、機密データを漏洩したりする可能性のある、よくある落とし穴にご注意ください。IT チームは、会社のデータを保護し、倫理基準と規制基準を維持するために、堅牢なデータセキュリティ、プライバシー、ガバナンス対策を導入する必要があります。 

部門横断型のコラボレーションによるサイバーセキュリティの強化 

調査によると、今後 4 年間でサイバー犯罪のコストが世界で 69% 増加して 15.6 兆ドルに達すると予測されており、サイバーセキュリティが IT リーダーにとって最大の懸念事項であるのは当然のことです。CFO インサイトの調査によると、IT リーダーの 71% がサイバー攻撃リスクの高まりに対して、「ある程度準備できている」と感じていますが、「十分に準備ができている」と答えたのは 26% にとどまりました。また、IT リーダーの 43% がフィッシング攻撃とソーシャルエンジニアリング攻撃を自社の脆弱性のトップ 3 に挙げており、29% が従業員のサイバーセキュリティトレーニングの不足とエンドポイントセキュリティの不十分さを重大な脆弱性として挙げています。 

しかし、こうした課題に直面して、サイバー脅威に対処するのは IT 部門だけではありません。財務部門と IT 部門が連携し、サイバーセキュリティのリスクを軽減しなければなりません。サイバーセキュリティを向上させるための主な戦略は以下のとおりです。 

  • 部門横断型のサイバーセキュリティタスクフォースの構築 

  • 透明性、コラボレーション、信頼、説明責任の文化の醸成  

  • データアクセス制御の強化  

  • サイバーセキュリティ対策の定期的な監査 

  • 転送時および保存時におけるデータの暗号化  

  • 明確な定義に基づくインシデント対応計画の策定  

  • 従業員の認識とトレーニングの優先 

IT ポリシーの最適化による効果的なベンダー管理とデータプライバシーの実現 

組織の IT ポリシーは、データのプライバシーを保護するために不可欠であり、IT チームの戦略と運用の方向性を確立します。サードパーティーのソフトウェアの調達・購買、データガバナンスなどのガイドラインを決定することで、IT ポリシーはビジネス全体で現在および将来にわたって、テクノロジーを最大限に活用するのに役立ちます。 

効果的な IT ポリシーの主な構成要素は以下のとおりです。 

  • 明確な意思決定と承認プロセス:経営幹部レベルと関連業務部門の両方において、すべてのステークホルダーが最初から議論に参加できるようにします。 

  • 詳細なベンダーガイドライン:セキュリティ、コンプライアンス、技術的な互換性、財務安定性などの側面を網羅し、IT ベンダーの評価、選択、管理において一貫性があることが重要です。 

  • セキュリティとデータプライバシーの要件:これらは、インシデント対応と違反通知の手順、コンプライアンスと監査、施行と違反、データ分類、データアクセス制御、データセキュリティ対策、データストレージとバックアップ、データ保持と処分の手順を含むように明確に規定する必要があります。 

  • 統合の柔軟性:ビジネスニーズは常に進化しているため、ポリシーには、それぞれの状況、アプリケーション、ビジネスプロセス、タイムラインに合わせることができるように柔軟性を組み込む必要があります。 

  • 継続的なコミュニケーションと教育: IT ポリシーを確立することは重要ですが、従業員がポリシーを遵守し理解できるようにするには、継続的なコミュニケーションと教育が必要です。 

SAP Concur ソリューションの活用によるビジネスの効率化 

SAP Concur ソリューションは、出張、経費、請求書管理を合理化および自動化し、出張管理者、出張者、財務チームの業務をシンプルにします。しかし、メリットを享受するのは彼らだけではありません。経費、出張、請求書の自動化は、IT チームにも多くのメリットをもたらします。  

SAP Concur は、支出の可視化、制御、コンプライアンスを強化することで、IT リーダーに対して、面倒な手動プロセスの合理化、支出データのシームレスな統合および一元化、スムーズな導入とユーザーオンボーディングプロセスを実現し、セルフサービスレポートによる継続的な IT サポートの必要性を軽減します。これらはすべて、サイバーセキュリティとデータプライバシーを犠牲にすることなく実現可能です。  

煩雑な手作業が少なくなるため、財務チーム、出張者、IT チームは、ビジネスのレジリエンスとイノベーションを促進する優先度の高いアクティビティに集中することができます。 

まとめ 

IT リーダーは、成長を促進し、サイバーセキュリティを強化するまたとない機会に恵まれています。業務効率と収益創出のために AI を戦略的に導入したり、サイバーセキュリティを強化する部門横断的なコラボレーションを促進したり、IT ポリシーを最適化して効果的なベンダー管理とデータプライバシーを実現したり、ビジネス効率を向上させる SAP Concur ソリューションを活用したりすることで実現が可能です。こういった実践的な戦略を実行することにより、IT リーダーは今日的な課題を克服できるだけでなく、ビジネスを持続的な成功とイノベーションに向けて位置付けることも可能となり、最終的により安全で効率的、かつ将来を見据えた組織を構築することができるようになります。 

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