電子帳簿保存法はこう活用する!領収書電子化ガイド 第4回「適正事務処理要件に基づく社内規程の策定」

第4回では、スキャナ保存制度の申請を行う企業が策定しなければならない社内規程についてご説明いたします。

適正事務処理要件とは?

適正事務処理要件は、平成27年度の規制緩和の際に、新たに盛り込まれた要件になります。
それまでは、領収書の画像ファイルに、事務処理を行った人の電子署名を付与しなければならないなど、非常に厳格な「不正」を防止する法的要件がありました。
これらの要件が緩和される代わりに、新たに盛り込まれたものが「適正事務処理要件に基づく社内規程」を整備し、その規程に沿って、領収書の電子化の各事務処理を行うこと、です。

適正事務処理要件は、以下の3つの項目(相互けん制定期的な検査再発防止)があります。
この3つの項目の要素を織り込んだ社内規程を策定する必要があるのですが・・・なかなかゼロから策定するのは難しいです。

そのため、国税庁のサイトには、これらの項目を盛り込んだ社内規程のサンプルが公開されています。
弊社自身も、社内規程を策定する際に、以下のサンプルをもとに策定いたしました。サンプル内容を、各企業内の事情に沿って改編することで、適正事務処理要件を満たしたものが出来上がる、と言ってもよいかと思います。
■国税庁 適正事務処理要件に基づく社内規程のサンプル
 http://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/ans2/pdf/A63.pdf

策定すべき社内規程

上記サンプルには、以下の3つの規程のサンプルが含まれています。​

  1. 適正事務処理規程
  2. 事務分掌細則
  3. スキャナによる電子化保存規程

上記の3つについては、サンプルをご覧いただけますとお分かりの通り「文字ばかり」の文書になります。そのため実際には、上記の規程に基づいて作成した、実際に社内で行う事務処理フロー(領収書を受領してから、スキャン・撮影をし、タイムスタンプを付与するまで)を図で書き表したものを作成し、社内にマニュアルとして展開するとともに、当局へ添付資料として提出することも有効であると考えます。

1 の規程は、領収書の電子化を行う上での大原則、つまり「適正事務処理要件の3つの項目を順守します」ということを端的に謳っており、詳細については他の規程で定めます、と表記しているものです。

2 は、適正事務処理要件で求められている相互けん制等を、社内のどのような立場の人が、どのように対応するかについての詳細を記載する内容になっています。
特に、承認行為や定期検査については、適正事務処理要件の一つである、「相互けん制」を働かせなければならないので、明確に、どの立場の人が担当するのかを記載する必要があります。
また本サンプルには、定期検査の結果の報告様式や、不備が発生した場合の報告様式のサンプルも掲載されております。定期検査は、紙の領収書の廃棄を行うために必要な検査であり、いつ誰が、どのような定期検査を行ったかについて、記録を残しておくことが重要です。
紙の領収書の廃棄に関しては、次回、詳しくご説明いたします。

3 は、スキャナ保存の詳細な規程を定めることになります。
この中には、スキャナ保存の対象とする国税関係書類の定義や、第2回(前編後編)で説明いたしました、11個の法的要件に対して、自社でどのような対応をするのか、利用するスキャナ保存対応の製品の仕様に基づいた運用方法などを規程しています。
またのサンプルには、第3回でご説明しました、電子化を行うための期間の定義や、次回説明いたします定期検査後の紙の領収書の廃棄に関する規程も記載しておりますので、このの規程において、皆様の企業内におけるスキャナ保存の詳細なルールを定めていただく、ということになります。

どのような規程にすればよいのか?

先述の通り、国税庁のWebサイトにおいて、サンプルとなる規程が公開されています。ですが弊社には、以下のようなお問い合わせが、大変よく寄せられます。

Concur Expenseを利用して領収書の電子化を行う際の社内規程として、当局の審査が通る(そのものズバリの)サンプルをいただきたいのですが・・・」

実際には、これらの規程は、「こう書けば必ず通る!」と言える「確実な正解」のようなものは無いと思っていただいた方がよいかと思います。
その理由としては、それぞれの企業において、経費精算に関するルールや事務処理フローも異なれば、審査を担当される当局の方も異なるため、一概に「これでOK」というものが見いだせないためでございます。
そのため残念ながら、コンカーといたしましては、非常にお答えしにくいご質問になってしまいます。

例えば、過去に深刻な経費精算の不正が見つかった企業であれば、その事実を知っている当局の担当官の方だと、一般的な申請企業よりも少し厳しめの規程を要求されるかもしれません。
また、定期検査等の内部監査的なルールを策定する際は、ご契約されている監査法人や税理士の方の意向が色濃く反映される場合も考えられます。
特に次回ご説明する、定期検査後の紙の領収書の廃棄に関しては、これまで私がいろいろな企業や、公認会計士、税理士の方、国税当局の方のお話を伺ったところ、「契約している監査法人の影響が一番強いところ」とおっしゃる方も結構おられました。
そのため、第2回後編でも書きましたが、監査法人や税理士事務所、管轄している税務署に、事前にご相談されることをお勧めいたしております。

適正事務処理要件に基づいた社内規程の説明に関しては、ここまでにいたします。

次回は、多くに皆様が「どうすればいいのだろう?」と疑問に思われている、紙の領収書を廃棄するための定期検査についてご説明いたします。
こちらについても正直なところ、「これ」という決め手になるような定期検査の方法が見出しにくいものになりますが、最低限行う必要がありそうなものについて、ご説明させていただきます。

電子帳簿保存法はこう活用する!領収書電子化ガイド(リンク集)

第1回「領収書電子化の目的及び、必要な検討・対応は何か?」
第2回「領収書電子化の要件の概要と申請までの流れ」前編後編
第3回「領収書を電子化するための方式と日数制限」
第4回「適正事務処理要件に基づく社内規程の策定」
第5回「紙の領収書を廃棄するための定期検査はどうすればいい?」
第6回「タイムスタンプの役目と付与及び一括検証」
第7回「モバイルでの読み取りと読取情報の保存」
第8回「Concur Expense利用時における想定事務処理フロー」

コンカーではじめる電子帳簿保存法はこちら

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