ずさんな間接費管理に終止符。スマートな働き方のススメ ~Concur Fusion Exchange 2016 Tokyo イベントレポート Vol.2~

経費精算や請求書管理はすべての企業が欠かさず行う業務だが、新商品の開発や営業力の増強などに比べて、企業の競争力強化に即効性がないと思われ、投資や改善は二の次になりがちだ。しかし、こうした「間接費」の見直しは、コア業務への集中やコスト削減に大きく貢献する。現場にも経営層にもメリットが大きい「間接費改革」を、この分野をリードするコンカーのイベント「Concur Fusion Exchange 2016 Tokyo」から読み解く。
Concur Fusion Exchange 2016 Tokyo イベントレポート Vol.1

今回は、「パーフェクト・スペンド・マネジメント〜間接費最適化の要諦〜」をテーマに、①経費精算の交通費や接待費など各従業員が使う「従業員経費」②請求書の処理に費やす「ベンダー経費」③出張の手続き業務「出張経費」における課題と解決策を提案する内容で構成される。3回目となる今回は、過去最多の約2000人が集まる盛況ぶりを見せた。

回数を重ねるごとに来場者は増えており、間接費管理に課題を感じている企業が増えていることを実感するが、今回はそれに加えて、特に経費精算に関心を持つ大きな事象がイベントを盛り上げた要素の一つにあった。それは、領収書をめぐる規制緩和だ。
領収書は税務調査の証拠として、原則として原本の保管が義務づけられているが、徐々に規制緩和が進み、今ではスキャナで紙文書を読み取りデータを保存すれば、原本は要らないようになった。
この現状が、2017年1月からさらに緩和される。スマートフォンとデジタルカメラで領収書を撮影した場合も原本は不要になるのだ。ささいな改善点のように思えるが、このインパクトは大きい。
ビジネスパーソンであれば、ほぼスマホを常時所持しているから、いつでもどこでも撮影はできる。これまで認められていた条件より、はるかに使い勝手がいい。
領収書を申請用紙に糊付け、上司に承認申請、経理部門に提出などは、クラウドで経費精算を行っている企業であれば、事実上不要。従業員の生産性は大幅に上がる。

経費精算に生涯で52日。処理時間、8割減の衝撃 
コンカーの調査によれば、サラリーマンが経費精算業務に費やす平均時間は、1か月で48分(年間で9時間36分)にもおよび、生涯で52日を費やす。
この時間を、経費の入力や申請、承認、支払い処理といった一連の経費精算業務を自動化する「Concur Expense」を導入することで、1か月で19.8分に短縮でき、さらに今回の規制緩和によって領収書の糊付けや提出する手間が省け、8.3分に縮めることができるという。

「企業が負担する人件費コストに換算すると(従業員1000人の場合で)年間3300万円に相当。それが560万円まで引き下げることができる」(三村社長)

時間やコストの削減以外にもメリットはある。「Concur Expense」のユーザー事例紹介に登場した野村證券の田中秀和・経費業務企画室長エグゼクティブ・ディレクターは「野村證券グループ全体の半分で(Concur Expenseを)利用しているが、ツールとルールが統一されたことでガバナンスが強化され、データ化したことで可視化もでき、経費を削減するための改善点が浮かび上がってきた」と、単純なコスト削減と現場の利便性向上だけではない利点を語っている。

日本の労働生産性を引き上げる。水面下で行った地道な交渉 
実は、今回の規制緩和に向けて、数年にわたって政府機関と交渉を続けてきたのが、コンカーだった。「先のデータで示したように、(規制緩和が)企業の経費精算のやり方を効率化できる確信があった。日本経済に与える省力化効果は1兆1000億円から1兆9000億円とみており、日本全体にとっても大きなインパクトを与えると思い、数年にわたって多くの政府関係者に規制緩和を訴えてきた」(三村社長)という。
三村社長はそのプロセスの中で、高村正彦自民党副総裁の協力が大きなきっかけになったことを説明。「話がなかなか進まず、そんな時に手を差し伸べてくれたのが高村副総裁。必要性をすぐに理解してくれて、即決してくれた」
高村副総裁は、イベントの特別講演に登壇。「三村さんが経費精算に関する問題点と解決策を詳しく教えてくれた。幹部にも話し、これは税制の問題を解決できる一つの方法だと意見が一致して、すぐに動いた。これで経費精算が相当楽になるはず。三村さんの努力の賜物で、みなさん(三村さんに)感謝したほうがいい」と経緯を話し、企業の生産性向上に期待するコメントを寄せた。

働き方を革新する。経費精算から解放するオープンプラットフォーム戦略 
イベントのメインセッションの最後には、コンカーが掲げるビジョンを三村社長が説明。徹底したオープンプラットフォーム戦略を推進する姿勢を鮮明に示した。
「私たちのビジョンは、間接費の削減と管理を全面的にサポートするあらゆる機能を実装することにある。究極は間接費にかかわる業務を完全に自動化すること。私たちだけでカバーしきれない分野はそのジャンルのリーダーと手を組んでいく。API(他のソフトやシステムと連携するためのソフトウェアプログラム)を公開して、システム連携を図っていく」
すでにコンカーのシステムは、「UBER」や「全国タクシー」など13種類の他社システムと連動してデータの自動取り込みなどが実現しているが、今後も積極的に協業を進めていく方針だ。
イベントでは新たに提携を発表した「駅すぱあと」を提供するヴァル研究所と、名刺管理システムのSansan、そして、ぐるなび、サイボウズ、パーク24が登壇。各社のユーザーが利用した交通費、駐車場代、カーシェアの利用料金、接待費、手土産代などをスケジュール、名刺データなどと組み合わせ、コンカーのクラウドに自動的に取り込む仕組みなどをデモを交えて紹介し、セッションを締めくくった。

一連のセッションの内容に触れて、経費精算を中心とした間接費の効率的な管理と削減が進んでいない現実を痛感した。「絞りきった大きな雑巾をさらに絞る(直接費の削減)よりも、小さくても水分を多く含む雑巾を絞る(間接費の削減)ほうが、水は多く出る」という三村社長の言葉が印象的。規制緩和を機に、間接費改革を進めながら、サラリーマンの働き方を革新していくアプローチには価値が十分にありそうだ。

「Concur Fusion Exchange 2016 Osaka」開催のお知らせ 
「Concur Fusion Exchange」は、大阪でも開催します。西日本を代表するユーザー企業の取り組みなどを通じ、「間接費改革」のヒントを提案します。無料で参加できます(事前登録制)ので、ぜひお立ち寄りください。
グランフロント大阪 コングレコンベンションセンター
2016年11月9日(水)
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